別に眠くなんてないのです ページ10
「おい、馬鹿古城」
不意にぺちっと音がして、額に広がっていく痛み。
目の前にはいつの間にか不動さんの顔があり、私は目を丸く見張った。
「すぐ戻って来いっつっただろ。
何ボケーッとしてんだ」
不動さんはあきらかに不機嫌そうな顔をしてベッドの上に座っていて、私は不動さんと目を合わせたまま起き上がった。
少し、頭の中を整理させて下さい。
これでも結構、内心ビックリしているんですを
「…私、寝ていたのですか？」
まさか自分は眠ってしまったのかと思い、不動さんに尋ねると
不動さんは「いや、」と半ば呆れているような顔をしながら答えてくれた。
「何か天井見てぼけーっとしてた」
……まだ寝顔を晒した方が良かった気がします。
まさか、不動さんが来るのに気付かないくらいぼんやりしていたとは……
さぞかしマヌケな顔をしていたのでしょう。
申し訳なさと少しの恥ずかしさを感じながら、私は一言「すみません」と謝ると
不動さんは何も言わずに私の頭を撫でてくれました。
そして1つ溜息を吐いて、私から目をそらす。
「疲れたか？」
「いえ、そう言うわけでは」
「んじゃ、何だ？何か悩みでもあんのか？」
「最近不動さんが私に対して冷たいのですが」
「……あぁ、そう」
「そりゃ、俺に言われてもなぁ」と不動さんは零すと、眉を顰めながら私を横目でチラリと伺う。
本人ですのに、そんな言い方するなんて。
改善する気皆無ですか。そうですか。
「とりあえず、あんま無理すんな。疲れてるんなら寝ろ」
「だから、私は別に眠くなんて…」
「はいはい、おやすみー」
不動さんは私の話に聞く耳持たず、両手で私の肩を押してそのままベッドに私を寝転ばせた。
更にその上から布団を掛け、私の頭をぽんぽんとまるで子供をあやす時のように優しく撫でてくれた。
「…あの、」
「良いから寝ろ。でねーと俺何も出来ないだろ？」
「……不動さん、私は何歳に見えますか？馬鹿にしているんですか？？」
「んじゃ、このまま俺出てもいいのか？」
「…」
そう言われたら、何も言い返せません。
私は頭を撫でてくれていた不動さんの手を掴むと、それをそっと両手で握って目を閉じた。
真っ暗な視界の中で感じる懐かしいにおい。あたたかい掌。
頭の上にはまた優しく手の感触が伝わって来て。
……ああ、本当に眠くなってきました。
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＊IJu＊(プロフ) - 秋さん» 御指摘コメントありがとうございますー！ 寝惚けてたんですかね…わかりやすくご説明して下さりありがとうです…！早速直してきます！ (2017年9月8日 21時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
秋 - 『元気だったんだ』の回の、お菓子を買って良いか問いかける台詞の「不動さん」が「不動ん」になってますよ〜 (2017年9月8日 21時) (携帯から) (レス) id: 66483bffd5 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァノア(プロフ) - 続きが気になります！ 確かに明王カッコいいですよね！ (2017年7月7日 21時) (携帯から) (レス) id: be32b6886c (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 菜桜 エネさん» コメントありがとうございます！ 同士でしたか…！不動さんカッコイイですよね、素敵ですよね(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) そう言って貰えて嬉しいです…！ 更新頑張ります(∩´∀`∩) (2016年8月6日 22時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
菜桜 エネ(プロフ) - 私も明王大好きです！いいお話だと思うので、更新頑張ってなのです。 (2016年8月1日 6時) (レス) id: f7768399a3 (このIDを非表示/違反報告)
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