久方振りなのです ページ47
書斎の扉の前に着くと、ふと部屋の中が恐ろしく静かだという事に気付く。
確か不動さんは「煩い」と仰っていましたのに…
もしかして別の部屋でしょうか？
それとも疲れて眠ってしまっているのでしょうか？
「…」
とりあえずそのまま立ち尽くしているのも時間の無駄なので、私は一つ深呼吸をすると扉を2回程ノックした。
ｺﾝｺﾝと軽い音が響いた少し後に、中から「はい」と誰かの返事が聞こえた。
その声は扉越しなのでややくぐもっていましたが
確かに聞き馴染みのある人の声でした。
「どうかしましたか、不動さ…」
やがて扉は開かれて、そこから私の幼馴染みの顔が現れた。
彼は最初、不動さんだと思っていたようで
眉間に皺を寄せて不機嫌そうな顔をしていましたが
私の顔を見るや、眼鏡の奥で目を大きく見開いてそのまま固まった。
「…陣君…！！」
そんな大好きな幼馴染みと久方振りに顔を合わせ、私は口元を綻ばせると
感激のあまり、勢い良く彼に抱きついてしまいました。
−−−
「ほ…本当に、3人が来てくれているとは…！」
陣君を一通りギューッと抱き締めて部屋の中に入ると、お友達の皆帆君と瞬木君がいてまた感動。
思わずお2人にも抱きついてから部屋の中心で円を描く様にそれぞれ座り、改めて感激の言葉を口にした。
「大袈裟じゃないかな、A」
「大袈裟ではありませんよ。
冬休みに入ってから1度もお会いしていなかったのですから」
「まだ冬休み始まったばっかだぞ…」
それでも大袈裟ではないんですよ、私にとっては。
この感激をわかってくれない瞬木君を精一杯睨むと、瞬木君も微かに眉を顰めて「何だよ？」と喧嘩を売って来ました。
買う気はさらさらありませんが。
だって喧嘩は嫌ですもん。
「A、大丈夫ですか？
あの人に何かされてませんか？
危ない目にあっていませんか？？」
「陣君、不動さんを何だと思っているんですか？」
「…はっきり言って、邪魔ですね」
割と本気の目をしていました。
淡々と答えた陣君の心配性に私は相変わらずだと溜息を吐くと、皆帆君も苦笑して「本当にはっきり言うんだね…」と呟いた。
…でも、そんな心配性な陣君を見るのも久しぶりです。
彼のその様子を見て心底安心しただなんて、内緒にして下さいよ？
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＊IJu＊(プロフ) - 秋さん» 御指摘コメントありがとうございますー！ 寝惚けてたんですかね…わかりやすくご説明して下さりありがとうです…！早速直してきます！ (2017年9月8日 21時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
秋 - 『元気だったんだ』の回の、お菓子を買って良いか問いかける台詞の「不動さん」が「不動ん」になってますよ〜 (2017年9月8日 21時) (携帯から) (レス) id: 66483bffd5 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァノア(プロフ) - 続きが気になります！ 確かに明王カッコいいですよね！ (2017年7月7日 21時) (携帯から) (レス) id: be32b6886c (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 菜桜 エネさん» コメントありがとうございます！ 同士でしたか…！不動さんカッコイイですよね、素敵ですよね(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) そう言って貰えて嬉しいです…！ 更新頑張ります(∩´∀`∩) (2016年8月6日 22時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
菜桜 エネ(プロフ) - 私も明王大好きです！いいお話だと思うので、更新頑張ってなのです。 (2016年8月1日 6時) (レス) id: f7768399a3 (このIDを非表示/違反報告)
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