怖いのです ページ22
「うぅっ……いますでしょうか…」
不動さんと別れて私はお父さんの病室の前に立つ。
すると鼓動がドクドクと脈打ち始め、私はまず自分を落ち着かせる為に深呼吸を繰り返した。
い、いなかったらどうしましょうか…
病室が変わっていたらどうしましょうか…
忘れられていたらどうしましょうか……
いや…流石に忘れられてはいないとは思います。
逆に忘れられていたら立ち直れる気がしません。
冗談を交えながら心の中でそんな事を考え、そしてもう1度深呼吸をすると、扉のノブに手を掛けた。
そして、思い切って開けてみる。
「……よぉ、嬢ちゃん」
すると、そこにはお父さんがベッドに座っていて
私を認識すると、フッと微笑んだ。
……良かった、ちゃんといました。
しかも、私の事も覚えています。
「久しぶりだな。元気だったか？」
「は、はい。とても元気でした」
「そうかそうか、とても元気か」
部屋に入った途端のお父さんの質問に私は戸惑いながらも答えると、お父さんはクスッと笑ってくれた。
……お父さんに尋ねるセリフを1つ取られてしまいました。
「で？俺の家はどうよ？」
「えっと…ベッドが広かったです」
「ベッドの感想かよ…」
「あと、冷蔵庫にダークマターが入っていたので廃棄しておきました」
「だ、ダークマター…？」
それから私はお父さんと色々な話をしました。
学校での話だったり、お日さま園での話だったり
幼馴染みの話や友人の話、そして不動さんの話。
お父さんが出ていってから、これまでの事を全部。
……とまでは行きませんが、でも沢山、沢山
時間が許す限り、話しました。
お父さんはずっと私の話に耳を傾け、時々茶化して来たり、冗談を入れたりと、ちゃんと私の話を聞いてくれました。
とても……嬉しかったです。
でも同時に悲しくもありました。
何故ならお父さんは、私を�猝辞瓩世箸錣�っていないみたいなのですから。
でも、だからと言って娘を名乗るような事はしません。いえ、出来ません。
だって、この時間が楽しいんですもん。
こうやって話すだけで、とても。
それに、それを伝えた事でお父さんの態度が変わってしまうと思うと……少し、怖いんです。
「ふぅん…大変だったんだな」
「はい、大分。
本当に、瞬木君には感謝してます……」
だから、もう少しだけ
もう少しだけ、こうさせて下さい。
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＊IJu＊(プロフ) - 秋さん» 御指摘コメントありがとうございますー！ 寝惚けてたんですかね…わかりやすくご説明して下さりありがとうです…！早速直してきます！ (2017年9月8日 21時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
秋 - 『元気だったんだ』の回の、お菓子を買って良いか問いかける台詞の「不動さん」が「不動ん」になってますよ〜 (2017年9月8日 21時) (携帯から) (レス) id: 66483bffd5 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァノア(プロフ) - 続きが気になります！ 確かに明王カッコいいですよね！ (2017年7月7日 21時) (携帯から) (レス) id: be32b6886c (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 菜桜 エネさん» コメントありがとうございます！ 同士でしたか…！不動さんカッコイイですよね、素敵ですよね(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) そう言って貰えて嬉しいです…！ 更新頑張ります(∩´∀`∩) (2016年8月6日 22時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
菜桜 エネ(プロフ) - 私も明王大好きです！いいお話だと思うので、更新頑張ってなのです。 (2016年8月1日 6時) (レス) id: f7768399a3 (このIDを非表示/違反報告)
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