おやすみなさいなんだ ページ18
「では不動さん、おやすみなさい」
「へいへい、おやすみ……」
ようやく惣菜を平らげ、風呂に入って寝る準備を済ませた俺はリビングの部屋の前で寝る前の挨拶を済ませてからソファに寝転がった。
ああ、何だか疲れた…古城のせいで。
まさか一緒に風呂に入ろうと誘われるとは思わなかった…
いや、確かに俺は彼女を1人にさせないようにしようと決めた、決めたさ。ああ、決めたよ。
だけどな、流石に風呂まで一緒ってのはキツいだろ。アイツ何歳だよ。
怖くて1人で入れないガキじゃねーんだからさ…性別考えろ、性別。
「はぁ……」
俺はソファの上で盛大に溜息を吐いてから、部屋の電気を消そうと起き上がる。
その時、部屋の扉の前に1人の少女が突っ立っていた事に気付き、俺は眉を顰めた。
「…おい、古城。何でまだそこにいんだ」
「お気になさらずに」
「気になるわ！」
とりあえずどうかしたのかと尋ねても話をはぐらかすだけなので、俺は1度ソファから起き上がった。
そして彼女を方向転換させると、そのまま彼女の背中を押して寝室へと向かわせた。
その間彼女は意外にも抵抗してこなかった。
そのまま彼女をベッドに寝かせて、布団を掛けるともう1度「おやすみ」と挨拶をした。
すると彼女は俺の服の裾をギュッと掴み、そのままじっと俺を見つめる。
「…今度は何だよ…」
「不動さん、今夜出掛けるご予定は？」
そして彼女はそんな質問をしてきた。
…何で夜中に出掛けるんだよ。
「いや、ねーけど？」
「本当ですか？」
「本当」
「神に誓いますか？？」
デジャヴを感じる。
俺はそれに適当に頷いてやるが、それでも彼女は俺の服の裾を離してくれない。
俺はまた溜息を吐くとベッドの端に腰を下ろして、彼女の頭を撫でてやった。
すると古城は気持ち良さそうに撫で受けてから、少し不安げな声音でこう言った。
「………勝手に、何処かに行ったりしませんよね？」
…きっと、親父さんが出て行った事が相当なトラウマなんだろう。
その瞳は珍しく揺らいでいて、裾を握る手に力が入る。
俺は怯える彼女の頭を撫でながら微笑み、答えた。
「ああ。そんな事は絶対しない。
お前を置いてくようなマネだけは、絶対に」
「…そうですか」
すると古城はﾌｯと口元を綻ばせた。
そして俺の服の裾を離すと、彼女は頭を撫でていた俺の手を掴んで顔に持っていき
「…おやすみなさい、不動さん」
掌に、キスをした。
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＊IJu＊(プロフ) - 秋さん» 御指摘コメントありがとうございますー！ 寝惚けてたんですかね…わかりやすくご説明して下さりありがとうです…！早速直してきます！ (2017年9月8日 21時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
秋 - 『元気だったんだ』の回の、お菓子を買って良いか問いかける台詞の「不動さん」が「不動ん」になってますよ〜 (2017年9月8日 21時) (携帯から) (レス) id: 66483bffd5 (このIDを非表示/違反報告)
ヴァノア(プロフ) - 続きが気になります！ 確かに明王カッコいいですよね！ (2017年7月7日 21時) (携帯から) (レス) id: be32b6886c (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 菜桜 エネさん» コメントありがとうございます！ 同士でしたか…！不動さんカッコイイですよね、素敵ですよね(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) そう言って貰えて嬉しいです…！ 更新頑張ります(∩´∀`∩) (2016年8月6日 22時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
菜桜 エネ(プロフ) - 私も明王大好きです！いいお話だと思うので、更新頑張ってなのです。 (2016年8月1日 6時) (レス) id: f7768399a3 (このIDを非表示/違反報告)
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