ハウトゥー世界征服 東 34 ページ39
「ん……？」
重い瞼を開くと、そこには見慣れたテントの天井があった。
体には布団が掛けられていて、今僕が寝ているのは僕のベッドの上だとわかった。
体を起こそうとしたが頭が少し重く感じて億劫だったので、そのまま視線だけを動かす。
周りはいつも通り、僕のテントの風景が広がっていた。
ちょっと違うのは、ベッドの脇に真がいた事。
「お、気が付いたか、A？」
真は僕のすぐ横で膝立ちになり、ベッドに寄り掛かっていた。
僕と目が合うと微笑み、僕を安心させた。
「…君が運んでくれたの？」
「いや、瞬木だ。
俺は看病を任された」
「なんだ、運んだだけかアイツ」
「アイツは捻くれてんだよ」
「知ってるよ」
どうやら隼人が運んでくれたらしいが、その本人は見当たらない。
昔からそうだ。
「にしても派手に散らかしたなお前。
おかけであの客席はボロボロだ」
「ごめん。
つい……ね」
僕は天井を見つめ、さっきの事を思い出す。
あの2人……僕を探していやがった。
アイツらから僕を捨てたくせに、
病院側に売ったくせに、今更何なのさ。
また僕を【施設】に売るの？
また、僕に地獄を見せるの？
___また僕に、殺させるの？
また僕に、また僕を、また僕に、また僕を。
「…A？」
「……何でもない。
客席の事は気にしないで。
僕が明日何とかする。
…それより今は、1人にしてくれ。
アイツらのせいで頭がどうにかなりそうだ」
僕は布団を頭まで被って真に背中を向ける。
嫌な事を、思い出してしまった。
頭の奥底に閉まっていた嫌な記憶が蘇る。
まだ僕があの人達を家族の様に慕った頃の記憶。
楽しかった日々。
突然の発病。
そのまま【施設】へと送られ、地獄の日々。
それでも、僕は“家族”を信じていた。
信じて、いたのに。
『お前は売られて此処に来たんだ。
もう捨てられたんだよ』
【施設】の大人から語られたこの話によって、僕は壊れた。
それから僕は、変わったんだ。
他人が、大人が、信じられなくなった。
また、独りになった。
もう、あんな奴らの言葉なんか信じない。
絶対、信じない。
絶対。
「いいのか、ホントにそれで？」
後ろで真が静かにそう言った。
僕は布団を被ったまま、尋ねる。
「…どういう意味？」
「今日は満月だぞ」
その言葉を聞いた瞬間、僕は被っていた布団を放り起き上がった。
「……忘れてた…」
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ミア(プロフ) - 分かりました！ 次に作品を作る時にでも出してもらえれば幸いです！ (2019年2月25日 7時) (
レス) id: 62a5f394e4 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ミアさん» コメントありがとうございます！大変申し訳ありませんがこの物語にこれ以上登場人物を入れてしまうと元からｺﾞﾀｺﾞﾀしていることお話が更にｺﾞﾀｺﾞﾀしてしまうと思います…有難いお話ではありますが今回はお断りささて頂きますorz (2019年2月24日 23時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - コメント失礼します。 私、キャラを考えるのはすごく好きなんですけど、ストーリーを考えるのが苦手で代わりにこの作品に出してもらえませんか？ 設定はコメント欄に書くので、お願いします！( ＞Д＜；) (2019年2月24日 16時) (レス) id: 62a5f394e4 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 未来の光に咲く鍵の花さん» コメントありがとうございます！ 本当ですか？嬉しいです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) 『小生』は『しょうせい』と読みます！ 分かりづらくてすみません！ (2015年3月4日 23時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
未来の光に咲く鍵の花(プロフ) - この小説の世界観…好きです！あのすいません、『小生』と書いてなんと読むのですか？ (2015年3月4日 17時) (レス) id: e1d834432f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊IJu＊ | 作成日時：2015年1月24日 11時
