優しい人になりたい 32 ページ37
二人の大人はテントの出入り口前で固まっていた。
一人は赤い髪で黒いメガネを掛けた、身なりの良い人。
もう一人は緑の髪をお団子にした人。
いずれも男性で、二人は目を見開き一点を見つめていた。
その目線の先にはAがいて、彼女も二人を驚いた…いや、それに混じって怒っているような表情で目を見開いていた。
「……A…かい…？」
赤い頭の男性は一歩前に出て、震える声で彼女の名前を呼んだ。
……彼はAの知り合いなのかな？
《イドラのサーカス》の団員は皆自分の実名は明かしていない。
だけど名前を知っているなら、その人は知り合いとか家族とか、昔関わった事のある人だけのはずだ。
…もしかして、あの人達がAを……
「……って…」
名前を呼ばれたAはワナワナと震え出し、言葉を発した。
しかしその言葉は小さく、それでいて声も低くてよく聞き取れなかった。
「え…？
今、何て……」
「帰って！！！」
Aが怒鳴った次の瞬間、二人の男性目掛けて力強く踏み込み、ブラシを大きく横になぎ払った
二人は客席に突っ込み、せっかく綺麗にした客席が一瞬にして散らかってしまう。
Aは冷たい、憎悪の念を込めた瞳で客席にめり込んだ二人を睨み付けながら歩み寄る。
「…うぅ…A…？」
「帰って！！！
僕の前から消えろ！！」
Aは鬼の形相でブラシを突き付け、二人に向かってそう放った。
それに対して二人は酷く傷付いた顔をして、重たい体を起こした。
「どう、して…？
せっかく、会えたのに…」
「僕を捨てたお前らの顔なんか見たくないんだよっ！！
わかったらさっさと消えて、もう二度と僕の前に姿を現すんじゃねぇっ！！！」
二人に向かって怒鳴り散らし、ブラシを振り下ろして舞台に叩きつけた。
ブラシはボキッと真っ二つに折れ、舞台にも深い窪みが出来、Aは肩で息をして二人を見下ろした。
二人は体を客席に叩きつけられた痛みに顔を歪めながらも、言葉を返した。
「捨てた…？
何を言ってるの…？」
「俺達はAを捨ててなんか……」
「…宗正、そいつら外に出して」
なかなか帰ろうとしない(とゆうか痛過ぎて動けないのかも)二人に痺れを切らしたAは井吹くんにそう告げる。
井吹くんはそれに答え、何かを言い掛けていた二人を抱えてテントの外へ。
それを見届けるとAは頭を抱え、膝から崩れ落ちて倒れてしまった。
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ミア(プロフ) - 分かりました！ 次に作品を作る時にでも出してもらえれば幸いです！ (2019年2月25日 7時) (
レス) id: 62a5f394e4 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ミアさん» コメントありがとうございます！大変申し訳ありませんがこの物語にこれ以上登場人物を入れてしまうと元からｺﾞﾀｺﾞﾀしていることお話が更にｺﾞﾀｺﾞﾀしてしまうと思います…有難いお話ではありますが今回はお断りささて頂きますorz (2019年2月24日 23時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - コメント失礼します。 私、キャラを考えるのはすごく好きなんですけど、ストーリーを考えるのが苦手で代わりにこの作品に出してもらえませんか？ 設定はコメント欄に書くので、お願いします！( ＞Д＜；) (2019年2月24日 16時) (レス) id: 62a5f394e4 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 未来の光に咲く鍵の花さん» コメントありがとうございます！ 本当ですか？嬉しいです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) 『小生』は『しょうせい』と読みます！ 分かりづらくてすみません！ (2015年3月4日 23時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
未来の光に咲く鍵の花(プロフ) - この小説の世界観…好きです！あのすいません、『小生』と書いてなんと読むのですか？ (2015年3月4日 17時) (レス) id: e1d834432f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊IJu＊ | 作成日時：2015年1月24日 11時
