優しい人になりたい 31 ページ36
「…どうした、って？」
「此処にいる全員が思ってんだよ。
最近アンタの様子が可笑しい、って」
瞬木くんは睨みつけるようにAを見添える。
対してAは仮面のような笑顔を顔に張り付けた。
「そんなに可笑しいかな？」
「あぁ、イカれてる。
どうしたんだよ？」
瞬木くんの物言いにAは微かに眉を顰め、でも黒いマスクの下の微笑みは絶やさない。
「別に？何でもないよ？」
「アンタ、まさかあのピンク頭の奴の事考えてたんじゃねぇだろうな？」
瞬木くんがそう言った瞬間、Aが笑顔のまま固まった気がした。
瞬木くんの言っているピンク頭の奴とは、前のショーの後で井吹くんに倒されて怪我をし、その怪我を手当てした少年の事だ。
あれ以来、彼は此処に来ていない。
きっと神童くんの事を諦めたんだろう。
ちょっと拒絶されたくらいで、情けない。
……そんな彼の事をAが…？
「…そうだったら、どうする？」
少しの間を置き、Aが静かにそう答えた。
瞬間瞬木くんはスローイングナイフを投げつけた。
ナイフはAの横を掠め、向かいの客席に深く突き刺さる。
「…」
Aはその場に微動だにせず、ただ溜息を吐いて瞬木くんを見添える。
対して瞬木くんは不快感を露わにし、もう一本ナイスを取り出すと刃先をAに向けた。
「冗談だよ、ジョーダン！
ちょっとからかっただけだよ」
「…ホントか？」
「うん、ホント」
ニコッとAは微笑み、瞬木くんに歩み寄って持っていたナイフを下ろさせた。
瞬木くんは「ならいいけど」と舌打ちをして、自分の取り掛かっていた作業に戻る。
僕らもそれを見届けてから、再び片付けを再開した。
Aもブラシで舞台を掃くが、気がつくとまたテントの出入り口を見つめて、溜息を吐いていた。
……さっきのは、本当に冗談だったのかな？
瞬木くんにあの少女の事を言われた時固まったし、笑顔が何だか不自然だった。
…ちょっとだけなら“能力”使ってもいいかな。
本来は無駄な事に使うなって禁止されてるけど、皆が気になってる事だし、本当にちょっとだけなら……
僕はぼんやりしているAをジッと見つめ、“能力”を発動させる。
すると少しずつ僕の頭の中に、Aの声が聞こえてくる。
でもAが話しているわけじゃない。
「A…？」
あともう少しで完全に聞き取れそうな所で、
二人組の大人がテントにやって来た。
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ミア(プロフ) - 分かりました！ 次に作品を作る時にでも出してもらえれば幸いです！ (2019年2月25日 7時) (
レス) id: 62a5f394e4 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ミアさん» コメントありがとうございます！大変申し訳ありませんがこの物語にこれ以上登場人物を入れてしまうと元からｺﾞﾀｺﾞﾀしていることお話が更にｺﾞﾀｺﾞﾀしてしまうと思います…有難いお話ではありますが今回はお断りささて頂きますorz (2019年2月24日 23時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - コメント失礼します。 私、キャラを考えるのはすごく好きなんですけど、ストーリーを考えるのが苦手で代わりにこの作品に出してもらえませんか？ 設定はコメント欄に書くので、お願いします！( ＞Д＜；) (2019年2月24日 16時) (レス) id: 62a5f394e4 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 未来の光に咲く鍵の花さん» コメントありがとうございます！ 本当ですか？嬉しいです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) 『小生』は『しょうせい』と読みます！ 分かりづらくてすみません！ (2015年3月4日 23時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
未来の光に咲く鍵の花(プロフ) - この小説の世界観…好きです！あのすいません、『小生』と書いてなんと読むのですか？ (2015年3月4日 17時) (レス) id: e1d834432f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊IJu＊ | 作成日時：2015年1月24日 11時
