辻 12 ページ17
今さっき言われた神童の言葉が俺の頭の中でこだまする。
帰ってくれ…？
何でだよ？
どうしてだよ？
せっかく…せっかく、こうして再会出来たのに。
「神童…？」
今度は俺が震える声で親友の名を口にした。
しかし彼は俺から目をそらし、悲しそうな顔をして、こう言った。
「…すまない。
俺は…もう、お前の知ってる“俺”じゃないんだ。
………関わらないでくれ」
何だよ……それ。
どういう意味なんだよ。
俺の知ってる神童じゃない…？
そんな事はない。
今のお前は前と全く変わらない。
どうしたんだよ、神童…？
俺、お前に何かしたか…？
「は…はは……神童…どういう事、だよ…？」
彼に冷たく突き放され、俺は思わず笑ってしまった。
何が可笑しいのかは自分でもよくわからない。
とにかく、何かが可笑しかった。
「…そのままの意味だ。
もう、俺に関わらないでくれ。
…お前を、悲しませたくない」
神童は最後にそれだけ言うと、俺の横を通り過ぎてテントから出て行った。
その後をウルフが追う。
「……」
彼が出て行った後、俺は膝から崩れ落ちた。
足がブルブルと震え、先程の神童の言葉が俺の頭の中を何度も駆け巡る。
『もう、俺に関わらないでくれ』
『お前を、悲しませたくない』
「如何だったかな？」
頭を抱えていると、背後で忌々しい少女の声が聞こえた。
俺は振り返る気力も無く、彼女に背中を向けたまま質問した。
「…神童に何を吹き込んだ？」
「何も吹き込んでいませんよ？
小生はただ、ナイフを寄越せと言っただけです」
「お前が何かを吹き込んだんだっ！
でなきゃ神童が！！あんな事、言うはずがっ…」
俺は彼女に怒鳴り散らし、イドラに激しい憤りをぶつけた。
こうでもしないと…俺は、壊れてしまいそうだったから。
「人間は月日が経つにつれて変わっていく生き物です」
しかし返って来たのは非常に冷淡な答え。
イドラは続けた。
「たった2年間でも、人間は変わってしまえるんですよ、霧野クン。
悲しいかもしれませんけれど、彼の言う通り、そっとしておいてほしいのです」
イドラはそう言うと俺のそばまで来て俺の肩に手をのせた。
その行動がバカにしているように感じ、俺は振り返って彼女を睨み付けた。
しかしイドラは終始笑顔を張り付けたまま
俺の耳元まで顔を寄せて、こう囁いた。
「今は……ね」
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ミア(プロフ) - 分かりました！ 次に作品を作る時にでも出してもらえれば幸いです！ (2019年2月25日 7時) (
レス) id: 62a5f394e4 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ミアさん» コメントありがとうございます！大変申し訳ありませんがこの物語にこれ以上登場人物を入れてしまうと元からｺﾞﾀｺﾞﾀしていることお話が更にｺﾞﾀｺﾞﾀしてしまうと思います…有難いお話ではありますが今回はお断りささて頂きますorz (2019年2月24日 23時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ミア(プロフ) - コメント失礼します。 私、キャラを考えるのはすごく好きなんですけど、ストーリーを考えるのが苦手で代わりにこの作品に出してもらえませんか？ 設定はコメント欄に書くので、お願いします！( ＞Д＜；) (2019年2月24日 16時) (レス) id: 62a5f394e4 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 未来の光に咲く鍵の花さん» コメントありがとうございます！ 本当ですか？嬉しいです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) 『小生』は『しょうせい』と読みます！ 分かりづらくてすみません！ (2015年3月4日 23時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
未来の光に咲く鍵の花(プロフ) - この小説の世界観…好きです！あのすいません、『小生』と書いてなんと読むのですか？ (2015年3月4日 17時) (レス) id: e1d834432f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊IJu＊ | 作成日時：2015年1月24日 11時
