◇ラプンツェルと道案内役 ページ40
「黒井、」
久々に、その人から名前を呼ばれた気がした。
練習中だった私は1度蹴っていたボールを足で止めて、呼ばれた方を向くと、そこにはフドウが立っていた。
フドウは何処かよそよそしい雰囲気で
何処か悩んでいるように首を擦りながら。
私と目が合うとすぐにそらして、フドウは話を続けた。
「あー……明日の事だが……」
「……明日の、事？」
そう言う私も何故だか話しづらく感じた。
今の今までフドウを避け続けていたからだろうか。
一時期、怒りの全てをフドウにぶつけていたからだろうか。
その反動か、私の良心が働いたのか。
まだ2人の事で恨みは抜けていないけど、だからってずっと怒ってるのに疲れちゃって。
全く話さなくなったし、言い争いだってあの日以来してないから。
久々にまともに対面したら、前まであんなに怒っていたのが嘘みたいに思えて。
でも前のように話す事が出来なくて、たどたどしく言葉を並べてフドウを見遣る。
オウム返しに尋ねるとフドウは「ああ、」と答えてまた私から視線をそらし、腕を組んで続けた。
「雷門を此処に連れて来るに当たって、俺が1度陸に上がって道案内をするっつったよな？」
「う……うん。そう、だけど」
…ちょっとﾋﾔｯとした。
ミーティングでの話の内容はほとんど聞いていなかったから。
適当に相槌を打っておいたけど、フドウには見破られたのかな。
訝しむように私を見た後、小さな溜息を吐いた。
「……その時、お前も来るか？」
「えっ……？」
何を命令するのかと思ったけど、予想外の申し出に私は思わず目を白黒させる。
つまり、潜水艦の外に出るって言葉…だよね？
ライモンの人達に先に会うって事だよね？
その話を聞いて私は思わず、喜んでしまった。
外に出るのは勿論の事
あのライモンに会えるって思って。
私、サッカー始めてからこの狭い潜水艦内でライモンについての話を色々聞いたの。
その話によると、ライモンは元々10人にも満たない弱小チームだったんだって。
でも今年のサッカーの大会(確かフットボールフロンティア…だっけ？)でメキメキと勝ち上がって、優勝したんだって。
その事が話題になって、ライモンは今やサッカー界では有名人。
そんな凄い人達に会えるなんて……！
「……………どう、して…私なの？」
……なんて感情はなるべく押し殺して
私は興奮で震える声でフドウに尋ねた。
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＊IJu＊(プロフ) - 胡蝶之夢さん» コメントありがとうございます！楽しみにして頂いているようで嬉しいです(｀･ω･´)更新頑張ります〜！ (2020年5月25日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶之夢 - とってもいいところで切り上げられているので、続きが気になります！更新頑張ってください！ (2020年5月23日 1時) (レス) id: c7cfce80ec (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 桜吹雪さん» コメントありがとうございます！自分もまだまだ小説の書き方は模索している最中ですが、そう言って貰えて嬉しいです…！ありがとうです( ´ ▽ ` ) (2020年4月21日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪(プロフ) - あぁー......尊いぃ......（語彙力皆無）ホント、ストーリーの構成から文章の書き方から全部上手いですね！尊敬します！ (2020年4月20日 19時) (レス) id: 8c61b1b0e7 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 氷浦メグさん» コメントありがとうございます！早くくっついて欲しいですね〜(他人事) 素敵な夫婦に…なると、いいな…… (2020年3月22日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
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