◇ラプンツェルと決行日 ページ39
「明日、遂に作戦を決行する」
朝のミーティングルームで、フドウは皆の視線が集まる中でそう告げた。
作戦の決行……つまり、ライモンと試合をするって事。
明日、あのライモンと試合をするって。
「ようやくアイツらと試合か」
「長かったなァ、ここまで」
「ヒーローぶってるアイツらコンテンパンにしてやろうぜ…！」
「……」
物騒な言葉が飛び交う中、この作戦の要である2人はただ静かにフドウの話を聞いていた。
その横顔を通路を挟んで隣から見遣る。
……あの2人は何を考えているのだろう。
早くライモンを倒したくて堪らないのかな。
楽しみで仕方ないのかな。
表情が動かないから、わからない。
「やる事はわかってんな、佐久間。源田」
「ああ…よくわかってる。この日の為に死ぬ気で特訓したんだ」
「奴らに俺達の力を知らしめてやろう。
そうしてヤツを……鬼道を倒す」
……どうやらやる気満々みたい。
2人の意気込みにフドウは何処か満足気に笑うと
その後は当日の作戦の大まかな説明といつもと変わらない練習内容の説明をしていた。
でも私はその話が頭に入って来なくて
視線を落とし、膝の上に手を置いて聞き流していた。
……明日、ライモンが来る。
ライモンが遂に来る。
そうなったら作戦通り、フドウは2人を使うだろう。
禁断技を使わせて、点を取って、勝つつもりだ。
禁断技は試合中2回までしか使ってはいけない。
威力が強力過ぎる反動か、それ以上打てば身体が壊れてしまう。
そんな所、見たくない。
だから私が頑張らなくちゃ。
私が守って、私が繋いで、私がシュートを決めないと。
2人が禁断技を打つ前に。
私が完全に壊れてしまう前に。
「明日の試合、頑張ろうねA」
「…うん、頑張ろう、タカナシ」
話が終わるといつの間にかミーティングは終わり、それぞれ散って行く。
そんな中、隣のタカナシはそう言って微笑むので
私も深く頷いて、そっとエイリア石を握り締めた。
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＊IJu＊(プロフ) - 胡蝶之夢さん» コメントありがとうございます！楽しみにして頂いているようで嬉しいです(｀･ω･´)更新頑張ります〜！ (2020年5月25日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶之夢 - とってもいいところで切り上げられているので、続きが気になります！更新頑張ってください！ (2020年5月23日 1時) (レス) id: c7cfce80ec (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 桜吹雪さん» コメントありがとうございます！自分もまだまだ小説の書き方は模索している最中ですが、そう言って貰えて嬉しいです…！ありがとうです( ´ ▽ ` ) (2020年4月21日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪(プロフ) - あぁー......尊いぃ......（語彙力皆無）ホント、ストーリーの構成から文章の書き方から全部上手いですね！尊敬します！ (2020年4月20日 19時) (レス) id: 8c61b1b0e7 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 氷浦メグさん» コメントありがとうございます！早くくっついて欲しいですね〜(他人事) 素敵な夫婦に…なると、いいな…… (2020年3月22日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
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