◇ラプンツェルの特訓 ページ21
次の日、朝いつも通りに起きて、ソウスイに言われた通りグラウンドに向かった。
そうして、そこで特訓を始める。
特訓の内容はとても簡単。
ソウスイの言った通りの事をやるだけ。
そこはフドウの時と似ていたけれど
唯一違うのは、案山子を使っているって事。
布で出来た人型の人形が1体。
多分、準備室から用意した奴だと思う。
確かこんなのがあったから。
お腹には的のような模様が描かれ、そこに向けて蹴る練習をただひたすら繰り返す。
思いっ切り蹴らないと意味がないらしかったから、ちゃんと私なりに蹴ったけれど、やっぱり痛かった。
布がクッションになっているとはいえ、結構頑丈に作られてるみたいだったから。
何度も蹴ると鈍い痛みを感じるし、擦れて足がﾋﾘﾋﾘした。
それでもソウスイはやれって言った。
私がちょっとでも休んだら「そんな事で2人を守れるのか？」って言われた。
そう言われたらやらざる終えない。
だから私は何度も、何度もその案山子を蹴り続けた。
でも、これ……本当に2人を守る為に必要な事なの、かな…？
ボールも使わないし、まず何の為にやっているのか説明されてないからさっぱりなんだけれど……
…そんな感じで、朝の特訓は終了。
食堂に行く直前、夜もまたグラウンドに来いって言われた。
またやるのかな。それとも別の事するのかな。
不安と好奇心を織り交ぜながら、私はその場を後にした。
−−−
食堂にはやっぱり、サクマとゲンダがいなかった。
きっとトレーニングルームにいるんだ。
そのせいで最近はめっきり会えない。
練習にだって、参加しないんだもん。
まるで力に取り憑かれたようだ。
「……」
だから、私は今日も1人でご飯を食べる。
いつも3人で食べてた隅っこの席。
そこに、人よりちょっと多めのご飯を装って食べる。
味は……美味しいんじゃないかな。
多分、美味しい。
だって此処のご飯はいつも美味しかった。
それもあるから、私は遠慮せずにいっぱい食べてた。
でも今は、よくわからない。
味を感じないってワケじゃないとは思う。
感じるのが鈍いって言うのかな。
それでも食べないと栄養は取れないから、食べる。
「……ねぇ、」
ふと誰かに声を掛けられた。
私は思わず眉を顰めて、顔を上げで見ると
いつの間にか私の前にはタカナシが、ご飯の乗ったトレイを持って立っていた。
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＊IJu＊(プロフ) - 胡蝶之夢さん» コメントありがとうございます！楽しみにして頂いているようで嬉しいです(｀･ω･´)更新頑張ります〜！ (2020年5月25日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶之夢 - とってもいいところで切り上げられているので、続きが気になります！更新頑張ってください！ (2020年5月23日 1時) (レス) id: c7cfce80ec (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 桜吹雪さん» コメントありがとうございます！自分もまだまだ小説の書き方は模索している最中ですが、そう言って貰えて嬉しいです…！ありがとうです( ´ ▽ ` ) (2020年4月21日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪(プロフ) - あぁー......尊いぃ......（語彙力皆無）ホント、ストーリーの構成から文章の書き方から全部上手いですね！尊敬します！ (2020年4月20日 19時) (レス) id: 8c61b1b0e7 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 氷浦メグさん» コメントありがとうございます！早くくっついて欲しいですね〜(他人事) 素敵な夫婦に…なると、いいな…… (2020年3月22日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
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