◆悪者のルーティン ページ16
あんな事があっても潜水艦内では、いつも通りのルーティンをこなさなければならなかった。
まぁ、あのチビがどっか行ったのを知ってるのは俺と小鳥遊ぐらいだ。
他のメンバーはいつもと変わらない日常と化した1日として、今日も昨日と変わらない日だと過ごしているのだろう。
ワケを話すのも少し面倒だし。
俺としてはほとんど寝てないので正直やりたくはなかったが、チームのキャプテンでもあるし、何よりこっちの目的果たす為にも、俺もいつも通りの時間にいつも通りグラウンドに向かった。
「……？」
グラウンドにはもう既にメンバーが全員集まっていて
俺が来ると思い思いにボールを蹴っていた奴らが素早くベンチの前に整列した。
そこでまず違和感が。
だってベンチにアイツがいない。
いつもならアイツもベンチの端っこに立っていて
俺が来ると「おはよう、フドウ！」なんて声を掛けて来るのに。
いつもいるはずのアイツがいない事に、俺は穴が空いたような違和感とｼﾞﾜｼﾞﾜと上る嫌なモノを感じた。
他のメンバーもアイツがいない事に気付いているのだろう。何処か落ち着かなかった。
とは言え、そんな事で練習を中断するワケにもいかない。
俺はなるべくベンチの方を見ないようにして、今日の練習メニューを皆に伝えると、皆はそれぞれのメニューをこなしにﾊﾞﾗﾊﾞﾗにグラウンドに散った。
……ただ1人を除いては。
「……小鳥遊、お前も行け」
「あの子は何処？」
小鳥遊だけはその場に留まり、俺を睨みつけると昨日のように吐き捨てる。
その目の下にはクマが出来ていた。
昨晩、夜通し探し回っていたからだろう。
「知らねぇよ。つかお前の方が知ってるんじゃねーのか？アイツと最後にいたのお前だろ？」
「着替えたらすぐ部屋を出てったの。ほら、総帥に呼ばれたから。
それから部屋に戻って来てないの」
「何…？」
彼女の話に俺は思わず眉を顰めた。
総帥が話があるってアイツを呼び出したのは知ってたが……部屋に戻ってない？
まだアイツ、総帥と話しているんだろうか？
でも部屋に戻ってすぐ総帥の所に行ったなら、大分時間が経ってるよな？
……嫌なモノがまた、俺の中に広がった。
不快で、気持ち悪いソレがｼﾞｸｼﾞｸと熱した砂糖のようにゆっくりと焼いて行く。
その日の練習に、黒井は姿を現さなかった。
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＊IJu＊(プロフ) - 胡蝶之夢さん» コメントありがとうございます！楽しみにして頂いているようで嬉しいです(｀･ω･´)更新頑張ります〜！ (2020年5月25日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶之夢 - とってもいいところで切り上げられているので、続きが気になります！更新頑張ってください！ (2020年5月23日 1時) (レス) id: c7cfce80ec (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 桜吹雪さん» コメントありがとうございます！自分もまだまだ小説の書き方は模索している最中ですが、そう言って貰えて嬉しいです…！ありがとうです( ´ ▽ ` ) (2020年4月21日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪(プロフ) - あぁー......尊いぃ......（語彙力皆無）ホント、ストーリーの構成から文章の書き方から全部上手いですね！尊敬します！ (2020年4月20日 19時) (レス) id: 8c61b1b0e7 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 氷浦メグさん» コメントありがとうございます！早くくっついて欲しいですね〜(他人事) 素敵な夫婦に…なると、いいな…… (2020年3月22日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
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