◇ラプンツェルの再会 ページ11
トレーニングルームに着く頃には、私は肩で息をするぐらいに疲弊していた。
当たり前かな。だって此処まで全速力で走って来たもん。体力は上がったと思ってたんだけど…私もまだまだ…だな。
でも息を整えてなんかいられない。
私はｾﾞｪｾﾞｪと息をしながら、トレーニングルームの扉を押し開ける。
此処は案内された時に入らなかった部屋だ。
サクマとゲンダが入れてくれなかったの。
どうしてなのか、その時の私はわからなかったけれど
目の前の光景を見て、その理由を理解した。
「……なに、これ……」
＿＿＿鉄球。
まず目に入って来た物。
黒いサッカーボール型の鉄球が、ｺﾞﾛｺﾞﾛとそこら辺に転がっていた。
部屋の中央にはグラウンドを半分に割ったような、半分だけのグラウンドが描かれており、ゴールネットの向かい側には何かを打ち出す為の大砲のような物が設置されていた。
どうやって使っていたのかなんて、考えたくない。
でも歪んだゴールポストとﾎﾞｺﾎﾞｺと抉れた地面を見たら、嫌でも想像してしまう。
……こんな所で2人は、トレーニングしていたの？
この鉄球とあの砲台を使って、トレーニングをしていたの？
「＿＿＿A？」
入口で呆然と立ち尽くしていたら、不意に後ろから名前を呼ばれた。
とても久々に聞いた、優しい声。
変わらない。声だけなら変わらない。
私はゆっくり振り返ると、そこにはやはり私の探している2人がいた。
でもその姿を見て、私の頭は凍りついた。
「どうして、こんな所に……」
「それ以前にこんな時間に起きてるなんて…
まだ朝早いだろうに」
サクマもゲンダも姿が前と変わってた。
ゲンダは髪が長くなって、サクマは眼帯に穴が空いていた。そこからオレンジ色の瞳が不気味に光り、私は思わず肩を震わせた。
……どうして、2人が此処に来るの？
わかりきってるのに、今更そんな事考えて。
脳裏でソウスイの話が蘇る。
嫌だ、イヤだ。信じたくない。信じたくないのに。
「……2人は、此処でいつも練習してるの…？」
私の姿を見て、少し困っている様子の2人。
何処か焦っているようにも見えた。
そんな2人に私は尋ねると、途端に2人は黙り込んだ。
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＊IJu＊(プロフ) - 胡蝶之夢さん» コメントありがとうございます！楽しみにして頂いているようで嬉しいです(｀･ω･´)更新頑張ります〜！ (2020年5月25日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶之夢 - とってもいいところで切り上げられているので、続きが気になります！更新頑張ってください！ (2020年5月23日 1時) (レス) id: c7cfce80ec (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 桜吹雪さん» コメントありがとうございます！自分もまだまだ小説の書き方は模索している最中ですが、そう言って貰えて嬉しいです…！ありがとうです( ´ ▽ ` ) (2020年4月21日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪(プロフ) - あぁー......尊いぃ......（語彙力皆無）ホント、ストーリーの構成から文章の書き方から全部上手いですね！尊敬します！ (2020年4月20日 19時) (レス) id: 8c61b1b0e7 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 氷浦メグさん» コメントありがとうございます！早くくっついて欲しいですね〜(他人事) 素敵な夫婦に…なると、いいな…… (2020年3月22日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
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