○病気にならない?○ ページ49
「……病気に……なら、ない…?」
思っていた事が思わずそのまま口に出る。
だってゴウセルのその言葉は、私にとっては凄く羨ましくて、凄く魅力的だったから。
「ああ、そうだ」
私の問いにゴウセルはこくんと頷いて即答する。
ゴウセルは嘘はつかない人だって、一緒にいてわかったから、きっとその言葉は真実なんだろう。
……でも、だとしたら、それって。
「……本当に…?」
「そうだが?」
「……」
気付いたら、気になって。気になったら、確認せずにはいられなくなって。
私はまだ通してなかった袖に右腕だけ腕を通すと
長い長い袖を腕捲りして自分の腕を出した。
そうしてゆっくりと右の手を広げて顔の前に翳すと、そのままゴウセルの方へと真っ直ぐ伸ばした。
……もしもゴウセルの言葉が本当だとしたら
ゴウセルは私に触れても、病気にはならないん…だよね?
とは言ってもそもそも、私の病気が移るものなのかがわからないけれど。
だけど移るのだとしたら、私と一緒にいて、病気になっても私の頭をいっぱい撫でたり、私を抱き締めてくれたパパとママはどうして病気にならなかったんだろう?
でも周りが移ると言って恐れたから、今の私はこうなってる。
まだそこら辺は曖昧なの。
だけどゴウセルだったら、病気にならないから触れられる。そういう心配はいらないの。
直接手で触れて、感じられて。
ゴウセルの、人の暖かさにまた、触れられる。
だから私は、手を伸ばす。
期待を込めて、ゴウセルに。
ゴウセルは私の行動の意味がわかってないのか、首を傾げて黙って見つめていた。
そんなゴウセルに向けて、私はゆっくり、ゆっくり手を伸ばす。
「…?」
「っ…!」
じりじり、じりじり。確実に。
ゴウセルに触れようと思って手を伸ばしていた。
だが不意にゴウセルも私の行動を理解したのか、おもむろに私と同じく手を広げて、ゆっくりのこちら側へ伸ばしてきた。
その瞬間、私はビックリしてしまって。
自分から望んだ事なのに、途端に病気が移ってしまったらって怖くなって。
思わず伸ばしていた手を引っ込めてしまうと、ゴウセルはまた不思議そうな顔をしてパチパチと瞬きを繰り返す。
「(うぅ……!意気地無し!意気地無し!!)」
そんな彼から目をそらし、私は掌を握り締めながら繰り返す。
……でも正直言うとまだ不安だったから
少し、安心もしてたりするんだ。
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*IJu*(プロフ) - あまのじゃくさん» コメントありがとうございます! 個人的には好きなんですけれど、そうですかイラつかせてしまいましたか……貴重なコメントありがとうです、次の新作のキャラ作りに生かして行こうと思います (2017年11月3日 18時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
あまのじゃく - この夢主が大嫌いすぎてイライラしました。 (2017年11月3日 17時) (レス) id: 6eda127a87 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 眼鏡っ娘☆さん» コメントありがとうございます! 更新遅くてごめんなさい……気ままにのんびり更新しているもので……更新楽しみになされているのにすみません…… 気長に待ってくれると嬉しいですー! (2017年8月1日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
眼鏡っ娘☆ - 毎日確認しても更新されてなくて残念です・・(泣)頑張って下さい!楽しみにしてます! (2017年7月31日 13時) (レス) id: 0e24f7fe4c (このIDを非表示/違反報告)
眼鏡っ娘☆ - 更新頑張って下さい!毎日確認して楽しみにしてます! (2017年7月28日 9時) (レス) id: 0e24f7fe4c (このIDを非表示/違反報告)
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