○パイのお味は○ ページ27
「はいっ!どうぞ!」
美味しそうな見た目、美味しそうな匂い。
まずはその2つが上手に出来たと思い、思わず笑みを浮かべる。
私は切り分けた1つをお皿乗せて、フォークを添えると
ベットで寝ているゴウセルに差し出した。
するとゴウセルは不思議そうな顔をした後、私からパイを受け取る。
でもすぐに食べようとはせず、ただじっとパイを見つめるので思わず「食べて食べて」と急かしてしまうと、ゴウセルは一度私の方を見てからゆっくりとパイを一口サイズに切り分けて口に入れた。
そのまま黙って、咀嚼するゴウセル。
私はそんなゴウセルを見つめながら、彼の次の言葉を待った。
「……美味いな」
「でっしょー?」
そしてゴウセルが口を開いた直後、その言葉が素直に嬉しくて、あと少し安心して私は思わず笑顔を浮かべる。
よかったァ、不味くなくって!
やっぱりちょっと不安だったからさ。
「だから言ったでしょ?大丈夫だ、って!」
「ああ、予想より遥かにいい仕上がりだ」
「は、遥かにって…ゴウセル、一体どんな予想をしていたの…?」
……ゴウセルったら、正直過ぎ!
確かに手際悪かったし、不安だったと思うけれど…
一体何処まで不味いモノが出て来ると思ったの?
ゴウセルの返答を聞いたら何だかモヤッとしちゃって、私は口を尖らせる。
「…私も食べる〜!」
だけどすぐに私は気持ちを切り替えると、切れているパイの一切れをもう一つのお皿に乗せて、ベットのすぐそばにある椅子に腰掛けた。
そうしてフォークでパイをゴウセルがやったみたいに一口サイズに切ってからソレを口に運ぶ。
すると予想外にもそれは美味しくって、私は自分で作ったのにも関わらず浮いた足をユラユラ揺らしながら体を弾ませた。
「おいひぃ〜!やっぱり焼き立てが一番、だよねっ!」
言いながら私はもう一口食べてほっぺたを抑えると、ふとゴウセルの視線に気付いた。
何やらじっと私を見つめている様子のゴウセルと目を合わせると、私はもぐもぐと口を動かしながら笑みを浮かべる。
するとゴウセルはまた不思議そうな顔をしてから
私の作ったパイをもう一口口に運んだ。
64人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*IJu*(プロフ) - あまのじゃくさん» コメントありがとうございます! 個人的には好きなんですけれど、そうですかイラつかせてしまいましたか……貴重なコメントありがとうです、次の新作のキャラ作りに生かして行こうと思います (2017年11月3日 18時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
あまのじゃく - この夢主が大嫌いすぎてイライラしました。 (2017年11月3日 17時) (レス) id: 6eda127a87 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 眼鏡っ娘☆さん» コメントありがとうございます! 更新遅くてごめんなさい……気ままにのんびり更新しているもので……更新楽しみになされているのにすみません…… 気長に待ってくれると嬉しいですー! (2017年8月1日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
眼鏡っ娘☆ - 毎日確認しても更新されてなくて残念です・・(泣)頑張って下さい!楽しみにしてます! (2017年7月31日 13時) (レス) id: 0e24f7fe4c (このIDを非表示/違反報告)
眼鏡っ娘☆ - 更新頑張って下さい!毎日確認して楽しみにしてます! (2017年7月28日 9時) (レス) id: 0e24f7fe4c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ