キミとつくった花冠は〜もうひとつの花冠〜【ゴウセル】

○毛布○ ページ12

この毛布はずっと昔にパパとママがずっと使っていたものなのだけれど、いなくなっちゃったから使わなくなっちゃって。

それに見てると思い出しちゃうからって、奥にしまい込んじゃったの。


ずっと使っていないせいか随分と埃っぽかったが
私はそれを持ち上げると、ｽﾞﾙｽﾞﾙ引き摺りながらまた家へと戻って来た。



「よいしょっ………と…！」



玄関の前で私は持っていた毛布を1度下ろすと、その瞬間埃が舞い私は思わず咳き込んだ。



うぅ……それにしても埃っぽい。

このまま使う事は流石に出来なさそう。



「それは何だ？」

「も、毛布だよ！ちょっと大きめでね、つ、継ぎ接ぎだらけだけど…」

「それは見ればわかる。
何故此処に持って来た？」

「何で、って…ゴウセルの寝る場所を作る為だよ？

………あ、でも…ゴウセル怪我してるし…
ベット一つしか無かった……どうしよう…」



自分で言っておいて、そう言えばベットは一つしかなかった事に気付く。


小さい頃はあのベットに3人並んで寝ていたけれど…
流石に一緒に寝るのはゴウセルも嫌だよね。

でも他に寝る場所と言ったら……特に何処も無いし。
物置だって物がいっぱいあって寝る場所なんて無いし、隣の本がいっぱいある所なんかもっと……



寝床についてもやもやと考えていたが、ふと視線を落とした床が目について

やがて私はある名案を思いついた。



「そうだ！

私、床で寝る！！」



ベットがないなら床で寝ればいいんだよ！

そうすればゴウセルはそのままベットで寝れるし、私もちゃんと寝れるもん！


…まぁ、多少は固いかもしれないけれど…
そんなの慣れちゃえばきっとヘッチャラだよね？



1人で私はそう決めると、早速埃っぽい毛布を洗いに外に出る。


1度毛布を外に出してから、すぐまた戻って今度は石鹸と大きな洗面器を持ち出し、再び外に出ようとする。



「ゴウセル！わ、私毛布の洗濯するから、ちょっと待ってて！」



……が、その途中でゴウセルがじっとこっちに見ていた事に気付き、私は一応ゴウセルにそう告げた。



なるべく早く戻らなきゃ。

でないとゴウセル、きっと退屈だよね。


外の井戸から水を汲み、私はその水で石鹸を泡立てた。

水はとても冷たかったけれど、季節が春だからそんなに嫌な冷たさではない。


もっと暑くなったら、水浴びとかしたいなぁ。

○ゴウセルという人○→←○話し相手が欲しいだけ○

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