【イナイレ】シッカーラプンツェル4【不動明王】 (ページ44)

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◇ラプンツェルと雷門の力ページ44

『ワイバーンクラッシュ！！』

突如、目の前に現れた巨大な青いドラゴン。
四肢を持ち、その口から青いビームを発射する。

とてもカッコよかった。しかも強い。
ドラゴンなんて御伽噺に出て来るモンスターで、しかも更にビームまで吐くなんて！

私も覚えるなら、あんなカッコイイ技にしたかったな、なんて。

でもどんなにカッコイイ技をでも、ゲンダはそれを迎え打つ。すぐにゲンダは必殺技の構えを取って、タイミングを見計らった。

ああ、ダメ…！ゲンダが禁断技使っちゃう！

早くも私は想像してしまい、思わず両手で顔を覆う。
でも同時に気になる私もいて、指の隙間からその結末を見守った。

「ビースト…」

「遅せぇよ！」

誰もがシュートだと思い、息を飲む。
そんな中、1人の少年が声を上げた。

不意に、ゴールへと真っ直ぐ向かっていたはずのシュートの軌道が逸れる。

それもそのはず、何故ならそのボールはシュートではなかったのだから。

ゴール直前で軌道が変わったボールにゲンダは一瞬驚き、目で追った。

するとボールの向かう先には白髪の人がいつの間にかゴール前まで上がって来ていて
彼は威力のあるそのボールに、更に必殺技を叩き込んだ。

『エターナルブリザード！！』

怖い人の打ったシュートの威力が込められたボールに
白髪の人が更に自身の必殺技を叩き込む。

荒れ狂う吹雪がボールを凍らせ
そうして次の瞬間、物凄いスピードでゴールに迫った。

このスピードは目で追うのでやっとだ。
ゲンダも不意の突かれたのもあって反応出来ず、ボールはゲンダのすぐ横を抜けてゴールに突き刺さった。

得点は1-1

ゲンダに技を使わせずに、ライモンは1点をもぎ取った。

「…………すごい…………」

……これが、ライモンの力。

私は暫くゴールの方を見て、目が離せなかった。

胸の奥では興奮していて、身体が熱を帯びる。
先程のシュートを何度も頭の中で再生して、私は胸を撫で下ろした。