【イナイレ】シッカーラプンツェル4【不動明王】 (ページ38)

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◇ラプンツェルはまだ大丈夫ページ38

勿論、キドウにそんな意図は無いと思う。
本当に心配してくれて、気遣ってくれたんだ。
サクマとゲンダの時と同じように。

寧ろ、こういう時は感謝しなきゃいけないんだろうな。

だから私はおもむろに顔を上げると、頑張って笑いながら言った。

「……ありがとう。でも、大丈夫。
まだ大丈夫だから」

「………まだ？」

「それより、聞きたい事があったんでしょ？
それって…何？早くしないと、休憩終わっちゃうから」

「……」

笑顔、ぎこちなかったかな？
答え方、マズかったのかな？

私の返答にキドウな訝しげに私を見遣るが、時間が惜しいんだろう。
すぐに話題を切り替えて、本題に入ってくれた。

「…真・帝国学園は佐久間と源田の禁断技を使って勝利しようとしている。
勿論、他のメンバーもその作戦に協力しているんだろう。

だが、お前だけは他とは違う動きをしていた…
まるで佐久間と源田を守るような動きだ」

「……」

…まぁ、わかるよね。
だって私、露骨にサクマへのパスをカットしてるし
シュートを打たれる前にボール奪っちゃってるんだから。

「だが後半になると攻めるようになった。
…まぁ、大方あの不動とか言うヤツにでも脅されたんだろう？佐久間が抑えられているから、代わりに取れと。

それでもお前は、佐久間にだけはボールを渡さないよう動いていた。
何故、お前だけはそうやって動くのかが少し気になってな」

……そうだよね。だって私は敵側のチームだもん。

サクマとゲンダに禁断技を使わせるのがこっちの作戦。なのに私の行動はその作戦に反してる。

キドウはそこが気になったのかな。

キドウも等しく私を〝敵〟だと認識していたようだ。
少し悲しいけれど、でも当たり前。仕方ないから。

私は少し考えて、言葉を選びながら口を開いた。

「え、と……私は、皆と違って…その。2人を守る為に、闘ってるって言うか……」

「守る…為に？」

「ソウスイが言ってたの。2人に禁断技を使わせたくないのなら、私が2人の代わりにゴールを守って、シュートを決めれば良いんだって」

「総帥……影山が、か？」

「う、うん……」

ソウスイ、その言葉を口にした途端、キドウの眉間に僅かにシワが出来る。

さっきもソウスイに対して怒ってたからな…
相当キドウはソウスイが嫌いみたい。