【イナイレ】シッカーラプンツェル4【不動明王】 (ページ27)

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◇ラプンツェルの忠告ページ27

試合が再開されると、ボールは茶髪の人に渡った。

そのままゴールまで走って来るので、私はその前に立ちはだかると、その足元からボールを奪おうと試みる。

「お願い、やめてっ…！シュートしないで！」

「そうは言われてもね…サッカーはシュートしなくちゃ勝てないから！」

「あっ…！」

でも流石ライモン。
奪おうとしても上手く避けられて奪えず、しかも別の選手の存在に気付けなかった。

直後にその人は走って来ていたキドウにボールを繋ぎ
驚いた私の横をすり抜けてその人もゴールへと向かって行った。

ああ、ダメっ…！あのままじゃ、ゲンダも…！！

「思い出せ！これが本当の皇帝ペンギンだ！」

キドウを筆頭にさっきの茶髪の人と、顔の怖い人が走って来る。

その2人は左右に分かれると、中央のキドウはその場で指笛を鳴らした。

まさかキドウもサクマと同じ禁断技を使うのかと思ったけれど、そうじゃなかった。

地面から顔を出したペンギンの色がまず違ったし
威力もサクマのと比べたら随分と無い気がした。

『皇帝ペンギン！！』

『『2号！！』』

それに彼等の皇帝ペンギンは3人技だった。

キドウが蹴ってから、左右に分かれていた2人もボールを蹴って、威力を上乗せ。

結果、サクマのに負けずとも劣らない威力のシュートがゴールに向かい、ゲンダはゴール前で歪な笑みを浮かべた。

『ビーストファング！！』

そうしてゲンダも、放ってしまった。

サクマと同じ、禁断技を。

まるで猛獣がボールに噛み付くように、ゲンダはボールを両手で防ぐ。

結果、ボールはゲンダの手の内に収まり、ゲンダはほくそ笑んだが、直後にサクマと同じようにその場に蹲り、唸り声を上げた。

「……だから言ったのに……」

私は思わず呟くけれど、でも止められなかった私も悪い。

グラウンドに響くゲンダの苦しむ声。
私は聞こえないように耳を両手で防いだ。

……次は、絶対に防がないと。
絶対に守らないと。

でないとあのままじゃ、2人が壊れちゃう。

本当にそのままの意味でも、壊れちゃう。