◇ラプンツェルはキャパオーバー ページ3
「うーん…？固まっちゃった。どうしたのかな？緊張してるの？…それとも染岡くんが怖い？」
「違うだろ…多分。またいつものじゃねーの？」
「いつもの…って？」
「とぼけんなよ、プレイボーイ。
お得意の甘いマスク発動したんだろ。
お前、気付いたら隣にいつも知らない女連れてるしな」
「あはは、その言い方だと僕すごく女癖悪い人みたいだね」
私が固まっている目の前で、そんな話をし始める2人。
この2人、仲良しなのかな…？
怖い人も白髪の人と話してる時はそんなに怖くないような。
これから話し掛けられるかも…と、私は1度口を引き結んでから、話し出そうと口を大きく開いた。
「あのっ…！」
「吹雪くん達、どうかしたの？」
だがそんな時に、また知らない人の声が。
しかも今度は女の子。
2人の後ろに可愛らしい女の子がやって来て、不思議そうに2人を見つめる。
次に私を見つめて一瞬目を丸く見張ると「知り合い？」と2人に尋ねた。
「ううん、違うよ木野さん。彼女、雷門のファンの子みたいなんだ」
「雷門の…ファン？」
「何なに？俺達のファンでヤンスか？」
「ま、栗松のファンでは無いと思うケド、うっしっし！」
「普通ならサインとかはお断りするのですが…今回だけは特別です。書いてあげてもよろしいですよ？」
「目金、お前いつの間に色紙を……」
終いには私の存在はライモンのみんなにバレてしまったようで。
私の周りにわらわらと集まって来て、私の思考はパキャオーバー。
こんなに人に囲まれたのも、こんなに一気に話し掛けられたのも初めてで。
私はどうすればいいかわからなくって。
「ごっ……ご、ご……
＿＿＿ごめんなさァアいっ！！」
気付けば私は本来の目的も忘れて、ライモンの人達の間を駆け抜け、慌ててコンビニから飛び出した。
「…なんだったんだ、あの子？」
「さぁ……？」
「やっぱり染岡くんの顔が怖かったんじゃない？」
「……そんなに怖いか？俺の顔……」
◇ラプンツェルは話し掛けたい→←◇ラプンツェルとプレイボーイ
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