【イナイレ】シッカーラプンツェル4【不動明王】 (ページ18)

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◇ラプンツェルの戦慄ページ18

「ｯﾊｯﾊｯﾊ！あの帝国の鬼道が！人に頭下げてるよ！ｱｯﾊﾊﾊｯ！！」

これにはフドウも途端に笑い出し、少しの間くつくつと1人で笑ってた。

でも私には何が可笑しいのかわからない。
だって、こんなに一生懸命謝っているのに。

私はこの人達の間に何があったのかは知らない。
だから口は挟めないし、何も言えない。

ただ、見ている事しか出来ない

「…すまなかった。お前達の気持ちも考えずに、自分だけの考えで行動してしまった……

何度でも謝る！影山に従うのはやめてくれ！」

「＿＿遅いんだよッ！！！」

フドウに笑われても、ずっと頭を下げていたキドウ。

でもソレが佐久間を怒らせてしまったみたい。

不意にサクマは持っていたボールを、キドウに向けて思いっ切り蹴りつけた。

唐突の事にキドウは避ける事も出来ず、そのままお腹でボールを受けて後ろに倒れた。

キャプテンは堪らず倒れるキドウの元に駆け寄り、彼に声を掛ける。

……サクマが……人に向けて、ボールを蹴った。

しかもあんなに自慢していた、キドウに向けて。

途端に震え出す、私の身体。
遂に私は、目の前の2人に恐怖を覚え始めていた。

違う……違う。あんなの、サクマとゲンダじゃない。

そう考えようとしても、どう思おうとしても。
目の前にいるのは間違いなくサクマとゲンダだ。
それ以上でも以下でもない。

わかってる。頭ではわかってる。

わかってるけど、それでも。

「……佐久間……」

キャプテンの人が手を差し出したけれど、キドウはその手を借りずによろよろと立ち上がった。

そうしてまた、2人に歩み寄る。
痛々しそうにな足取りで、ゆっくりと。

「敗北の屈辱は勝利の喜びで拭うしかないだろう…？」

「……やめて……」

思わず溢れる、制止の声。
だけど無慈悲にもサクマは再びボールを蹴った。

また避けられず、諸に受けるキドウ。
ｽﾞﾘｽﾞﾘと地面を擦りながら後退り、私は見ていられなくて思わず両手で顔を覆う。

怖くて、痛々しくて、こんなの初めてで。

でも耳は塞げなかったから、話は聞こえてしまう。

「鬼道っ！」

「これはっ……俺と、コイツらの問題だ……！」

「そーそー、手は出さない方がいいぜ？」

キドウは何としても、2人をソウスイから引き剥がしたいみたい。

フドウはそこに茶々を入れながら、ボールをまたサクマに渡した。

……そんな事したら、また……