◇ラプンツェルは辿り着く ページ12
唐突のフドウの話は真実とはあまりにも掛け離れていて。
私は目を丸く見張ると、フドウはまた意地悪な笑みを浮かべた。
「別に利用出来そうだったから利用したまでさ。
お前らだって、お偉いさんに言われてエイリア退治なんてしてんだろ？ソレと何も変わらない」
「違う！俺達はそんなんじゃっ…！」
「あっ、そこの門から入ってくれよ」
「っ……！」
遂にキャプテンの人が声を荒らげる。
でもフドウは彼の言葉を遮って、運転手の人に指示を出した。
バスはフドウに言われた通り門を潜り、見覚えのある倉庫へと入っていく。
更にフドウの指示で海沿いでバスを停め、ライモンの皆と一緒にバスを降りた。
「…何処にも学校なんか無いじゃないか？」
一通り周りを見渡して、キャプテンの人がそう言った。
当たり前だよ。だって周りは倉庫だけで、正面に広がるのは海。
真・帝国学園って言うぐらいだし、きっとライモンが想像しているのは普通の学校のような建物なのかも。
……まぁ、普通は考えつかないよね。
真・帝国学園は普段は海の中に潜ってるって事は。
「テメェ…！やっぱ俺達を騙したのかっ？！」
「短気なヤツだなァ……
真・帝国学園だったら…ほら」
坊主頭の人がまた怒鳴りながらフドウを睨む。
そんな彼にフドウは溜息を吐きながら、おもむろに海の方を指差した。
瞬間、目の前から巨大な物体が飛び出した。
私達が今まで過ごしていた、潜水艦だ。
ソレは水飛沫を撒き散らしながら、クジラのように勢い良く現れ、ライモンの皆は驚きの声をあげた。
「これはっ…？！」
次に鈍い音を立てながら、直立でしていた潜水艦はゆっくりと傾く。
そうしてまた大きく波を立てながら着水すると
おもむろに潜水艦の天井が展開。
中からグラウンドが姿を現し、ゆっくりとその姿を晒しながら、やがてスタジアムのようなフィールドがライモンの前に現れた。
そうしたら次は潜水艦の出入口。
扉が開き、そこから階段が伸びて下に降りて来る。
その出入口には、ソウスイが佇んで私達を見下ろしていた。
｢かっ…影山…｣
「久しぶりだな、円堂。
……それに、鬼道！」
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