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S side
「ねえ、翔さんまだ帰んなくていいの？」
「え、何で？」
「何でって、彼女風邪でしょ？」
残業で疲れた頭に潤の訳のわからない話が降ってきて、は？何言ってんのお前、と言おうとして口をつぐむ。
まさか、まさかとは思うけど、そんなわけないとは言い切れない、今までの経験から。
Aだから。
「それ、何情報？彼女？」
「さっきコーヒー買いに行ったときに企画部の女の子たちが話してるの聞いちゃった」
「おい待て、お前やっぱりあの時サボってたんじゃねーか」
なんでもなさそうな紙をひらひらさせながら、資料届けてきますだなんて言ってデスクから立った潤は、やっぱりサボってたようだ。
まったく、なんて睨んだら、逆に睨み返された。
なんて後輩だ。
「翔さんだって、よくやってるじゃん。て言うか話そらさないでよ」
「うるせーな。だいたい、それ何の信憑性もねーじゃん。聞いた話なんだろ」
「いやそんな話、嘘だったら話さないでしょ、誰も。それにさっき、こそこそメールしてたじゃん。彼女だったんじゃないの？」
いや、確かにそうだけど。
メールしてたの、Aだけど。
あれ、俺まさか、嘘つかれた？
今日会えないって言われて結構へこんだんだけど。
「携帯」
「え、なに」
「お前の彼女に電話して」
お前の彼女と飲みに行くっつってたんだよ、と若干イラつき気味で潤に携帯で電話させる。
潤が気まずそうにAの友達と電話をつないだのを見て、潤から携帯を奪いとる。
潤が睨みながらため息をついてるのを片目に入れながら、電話をする。
「もしもし、ごめんね突然。あのさ、A帰った？」
『あ、翔さん。あー、えっと、はい』
「まじか」
『ごめんなさい、黙ってて』
ありがとう、と言いながらも、ショックで。
それから、何となく腹の中がもやもやして、イライラが募って。
つないだままの電話を潤に押し付けて。
鞄に資料やらをガツガツ入れ込んで、コートも着ずにドアに向かう。
「あ、翔さん、」
「何だよ、急いでるんだけど」
「彼女、風邪なんだからね」
「ばーか、余計なお世話だわ」
さぼった分ちゃんと仕事しろよ、と潤に釘を刺してオフィスを出る。
分かってるよ、イライラしちゃ駄目なこと。
でも、何で俺だけが知らねんだよ。
友達はまだしも、何で俺より先に潤が知ってんだよ。
馬鹿女。
ロビーについたエレベーターを降りると、急いでAの家に向かった。
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なつめ(プロフ) - 理子さん» コメントありがとうございます＊あたたかいお言葉、丁寧に読ませていただきました。そのように言っていただいてとてもうれしいです。何度も読み返してくださっているなんて、恐縮です。今後のお話作りの励みになりました＊ありがとうございました！ (2016年1月23日 21時) (
レス) id: a5481c8374 (このIDを非表示/違反報告)
理子 - 今更でごめんなさい。気付かれないかもしれないですが、このお話大好きで何だか心が疲れたなって時に何回も読んで癒されています。キュンキュンして、良い意味でゾワゾワします、翔さんがかっこよくて。恋がしたくなります。こんな素敵な話をありがとうございます！ (2016年1月19日 2時) (レス) id: 76c69858b8 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 朔さん» ありがとうございました、完結いたしました＊ついつい切なくするクセがあるので不安にさせてすみません（笑）きゅんきゅんをたくさんお届けできたようでよかったです！また次もがんばります＊ (2015年10月25日 21時) (レス) id: a5481c8374 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - さくさん» お返事遅くなりました、すみません( ´ ` )ありがとうございます！なんとか終えることができました！そんなにお話を愛してくださって恐縮です！足りない部分も足したい部分もたくさんあるんですが、そのように言っていただけてとても励みになりました＊ (2015年10月25日 21時) (レス) id: a5481c8374 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - 完結おめでとうございます！この日を待ってました！リアルな不安だったり、ちょっと甘酸っぱかったりで、イケメン翔さんに沢山キュンキュンさせていただきました//お疲れさまでございました(*^^*)チサと潤話も楽しみです♪ (2015年10月24日 6時) (レス) id: 29cb325351 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつめ
| 作成日時：2015年2月9日 0時
