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S side
エレベーターであの子に会って。
気まずくて、一瞬しか顔を合わせられなかったのに。
なぜか、あの子の顔が頭に残って。
少し、疲れてる？
あの子がロビーに降りたエレベーターの開閉ボタンを押してくれてるうちに降りて。
振り返ることもなく、歩く。
その後ろを潤が追ってきてたはずなのに、突然立ち止まって。
「あ、ごめん翔さん。俺、忘れ物した！」
「まじかよー」
「先帰ってて！俺、戻るから」
駐車場でかけられた、その言葉に。
はいはいお疲れ、って。
ばっかじゃねーの、俺。
潤があの子のところに行くんだろうなんてこと、すぐに分かった。
だけど。
止めろよ、の一言も。
俺が行くから、の勇気も。
全然なくて。
ただ潤が、あの子のところに走っていくのを笑顔で見送った。
そんな自分に腹が立った。
だけど、どうすることもできなくて。
駐車場に停めた車の中で、たばこを吸って。
少し気持ちを落ち着かせたつもり。
なのに。
ほど遠くないところに停めてある潤の車に現れたのは。
あの子と、潤で。
潤の車に乗って泣いてるあの子を横目で見ながら、車でその前を通りすぎた。
はぁ、なんてため息を吐く。
プライドばっかりで、反吐が出る。
リビングで、ゆるゆると二本目のビールを開けたところで。
携帯が鳴る。
あの子からの連絡を願う俺は、本当に女々しい。
だけど、相手は潤で。
お前と話したくねーよ、今。
着信音が切れるぎりぎりで、電話に出る。
「…なに」
「ごめん翔さん」
「は？何が？」
突然の謝罪に。
まさか、あの子と何かあったのかとどき、とする。
「翔さんのお気に入りのとこ、行っちゃった」
「…別に、いんじゃね？」
「車で見たでしょ？あの子が泣いてるの」
見たけど。
なに、自慢？
「勝手に車乗せたりして、ごめん」
「はは、なにそれ。何で俺に言うんだよ」
「一応、何となく」
うるせーな。
こんなの、いよいよただの自慢じゃねーか。
「それだけ？切るよ」
「…もうちょっとあの子のこと考えてあげたら？」
なんだよ、それ。
知ったかぶり？
お前、実はあいつの彼氏なの？
「どうしてほしいの、俺に」
「自分が一番分かってるくせに。あの子、待ってるよ翔さんのこと」
待ってる…、わけねーだろ。
そんなにあの子のこと気にかけてんなら、お前が付き合えよ。
そんなこと、一つも思ってない。
言えるわけもなくて。
分かったから、と小さくつぶやいて電話を切った。
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なつめ(プロフ) - 翔英優さん» はじめまして(^^)コメントありがとうございます＊大好きだなんて言っていただけて、とてもうれしいです(^^)優しいのといじわるなのと、たくさん詰め合わせながら書いています(^^)！きゅんきゅんだなんて、最高のほめ言葉です(^^)＊ (2014年9月21日 21時) (
レス) id: cb201f1e2e (このIDを非表示/違反報告)
翔英優 - 櫻井くんの優しさにキュンキュンします！ なつめさんが書く小説大好きです(о´∀`о) (2014年9月21日 19時) (レス) id: 9eb7effa93 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - はなさん» こんばんは(^^)きゅんきゅんの言葉が聞けて、とてもうれしいです(^^)！かっこいい翔さんをお届けできるようにがんばります＊* (2014年7月26日 22時) (レス) id: c097626a97 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - ゆりさん» なかなか進まないお話なのに、楽しみにしていただいてありがとうございます(^^)！ちょっぴり強引な翔さん、お楽しみにしていただければうれしいです＊ (2014年7月26日 22時) (レス) id: c097626a97 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - なつめさん、こんばんは(´∀｀*)毎日、更新の度にきゅんきゅんしてて楽しく読ませてもらってます♪また今回も翔さんがかっこいいですねヽ(；▽；)ノ次回更新がますます楽しみになりました♪ (2014年7月25日 22時) (レス) id: 8a0c578eb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつめ
| 作成日時：2014年6月5日 23時
