trick or…… 8 ページ48
「はぁ……っ、ごめん三成、今回ばっかりは私が悪いわ」
「貴様は注意力散漫なのだ」
「まぁまぁ、痛み分けってことでいいじゃない」
ぐったりと、力が入らない身体。
そんな私の背中に佐助の腕が回り、ゆっくりと起こして、首筋の絆創膏を指差した。
さっきは良くも悪くも夢中で気付いていなかったけど、あんなに血を失って結構深刻な貧血気味だったらしく、頭がクラクラする。
半兵衛は、『三成君くらい顔色が悪いよ』などと言っていた。そんなこと言うくらいなら、もう少し前に助けてくれたって良かったのに。
…逆に、三成はなんとなくばつが悪そうだけど、顔色はいつもよりも格段にいい。
まぁ、血液を直接摂取したのだから、当たり前か。
…もしかして、豊臣組の狙いはこれだったのかも……
「そういえば…俺様達も何か色々着てるけど、これは大丈夫なの?」
「うん…、多分衣装だけのセットだったと思う……」
「そ。鉄分取れそうなもの作るよ」
佐助はキッチンへ、他の皆はパソコン内に戻っていく。
くぅ、せっかく耳とか尻尾とか帽子とかマントとか色々くっつけたのに、じっくり見てる余裕がない。
見ろ狼男の幸村の、けも耳の可愛さを!
「…痛むか」
「いや…、案外そこまで痛くはないよ。ごめんね、まだ鉄臭い?」
「ああ、そうだな…」
部屋に残っているのはもう三成だけ。
心配してくれているのか、ポツポツと声をかけてくれる。こういうところがあるから、三成は可愛いんだ。
…そんな可愛い三成が、私の目をじっと見て、何やら言いたそうにしているのだが…、
「…どうしたの?」
「…………貴様は、その肌までも甘いのだな」
「へ?」
「いや…、私も戻る。貴様はさっさと食って寝ておけ」
三成はパソコンのデスクトップから自分のフォルダを開いて、光の粒子になって画面にさっさと吸い込まれていった。
…別れ際に見た、いつもの色に、ほんの少し赤が滲んだ虹彩。
私は佐助が戻ってくるまでぼんやりとしていて、動画を出せたのはハロウィンの次の日になってからだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そして、この短編を私が終わらせることができたのもハロウィンの次の日になってからだった。
遅刻ごめんなさいorz
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光華(プロフ) - 銀魂の土方十四郎で激裏お願いしても良いですか? (2019年11月24日 21時) (レス) id: 9f1b40bb10 (このIDを非表示/違反報告)
ノワブラ-α(プロフ) - 幽遊白書の幽助の激裏お願いしますね (2018年9月1日 14時) (レス) id: cf6ea17fd6 (このIDを非表示/違反報告)
サーシャ - 智美さん» 完成しました! お待たせして申し訳ありません…犬夜叉、るーみっくは大好きです!! (2018年6月3日 17時) (レス) id: 2ec897ff99 (このIDを非表示/違反報告)
nebula - 調べたらすぐでます〜 (2018年2月6日 2時) (レス) id: 4fd0305776 (このIDを非表示/違反報告)
nebula - あ、言い忘れていましたが妖怪です (2018年2月6日 2時) (レス) id: 4fd0305776 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サーシャ | 作成日時:2017年1月22日 10時