雨の日は君と(１) ページ8
部屋中にお茶の香りが漂う。
その正体は、ハーブティー。
さっき、サーティーンに淹れたのだ。
もう六月になった。
外は、相変わらずのどしゃ降り雨。
これでは、五月病も治らないな。
けど、私たちは違う。
何故なら……
「よぉしA。俺チャンとトランプで賭けだ」
こんな調子だからだ。
この死神は、五月病を知らないらしい。
おかげさまで私も平常運転だった。
テンション低いのも困るが高すぎるのも困る。
さっきマルコスとそんな話をして来た。
はぁ、と思わず溜め息を吐きたくなる。
仕方がないとはいえ、疲れるのだ。
「疲れたから止め。ゲームは少し休憩ね」
そう言って、お昼を作り始める。
あれ……？
冷蔵庫を見たらなかった。
この間買った、野菜の詰め合わせ。
何処を見てもない。
まさか……
「サーティーン、あのさ」
ギクリというように、私に振り向く。
やっぱりな……反応で分かる。
「勝手に……使ったりしてないよな？」
ニタァと私たちは笑い合う。
ほら、やっぱりそうだ。
冷蔵庫の中の物を夜中に漁り何か作る。
それがサーティーンの癖というか、趣味みたいなものらしいのだ。
おかげで、プライベートで買った食材は、ほとんどなくなる。
最近、高すぎるテンションの次に困っていることだ。
「あれだけ使うなって言ったのに……」
私は、本日２回目の溜め息を吐いた。
もう、ほんとに呆れる。
でも、何故か叱れないんだよなぁ……
「A。俺チャンさァ〜」
気付くと目の前にサーティーンの顔。
近い近い……(笑)
そんな風に、笑って顔を退かそうとする。
が、全然退きもしない。
「何がしたいのサーティーン。私はこれから昼飯を＿＿」
持っていたお玉が床に落ちた。
その料理器具を持っていた手は、サーティーンの大きな手に掴まれ、耳元に顔があった。
ふぅ〜と、わざとらしく息を吹きかけてくる。
「あれェ？A、耳元真っ赤ぁ〜っ」
そう言ってからかってくる。
それから耳元でこう呟いてきた。
「このあと俺チャンと二人きりで外に飯でも食いに行こ？な？」
突然の話に困惑と照れ顔を隠せなかった。
最近、私が窓の外を見ていたからか？
それとも、ただ単に怒られたくなかった？
「いいけど、な、なんで急に……」
カカッと、お得意様の変な笑いを見せてきた。
そして、また耳元で言ってきた。
もうここまでなると、反応を楽しんでるだろ……
文字数謝罪
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椿＠コンパス民(プロフ) - ありがとうございます！！見てくださって感想まで…本当にありがとうございます！！ (2020年4月19日 23時) (
レス) id: 36365ee645 (このIDを非表示/違反報告)
無花果(アル,スト,刀剣,第五,ヒプ好き,��)(プロフ) - 続編まで続いていらっしゃいましたので此方に書かせていただきます…どういう出会いがあったのか、どういう理由で人物が行動を起こしたのか等が本当に分かりやすくてとても好きです…!!更新頑張ってください、応援しています!!参加ありがとうございました!! (2020年4月18日 19時) (レス) id: 0e478908d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆しゃくしゃしゃん☆ | 作成日時：2020年4月15日 15時
