死神の師匠が来た (ページ29)

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久々の会話ページ29

「ふぅ……ﾊｧ、ﾊｧ大体治まった、か」
そういって無理矢理動こうとするA。
それを俺は、必死で抑える。
意識が朦朧としているのか、やけに力を抑えていないからとにかく大変だ。
「…もう少し寝てろ」
師匠を看病するってこんな感じ、か。
なんだか、不思議な気分だァ。
ベッドの横で腰掛けている俺。
隣で暑苦しく、息を苦しめている師匠。
しばらくしてから、ジャンヌがお粥を持ってやって来た。
「あら、ふふっ。お邪魔しました～」
そう言って、ニヤニヤしながら部屋を後にした聖女様。
ちっと、ムカつくな。
後でフルークでも打っとくか……
「ほら、ジャンヌが持ってきてくれた。力つけるためにも少し食べろ…」
はふっと言いながらも美味しそうに食う師匠。
なかなか絵になる。
＿＿これが、恋人だったら。
なんて、ありもしないことを考えてしまう俺が大層嫌になる。
「はぁ…A……」
はっとしたときには、口に出していた。
やべぇ。俺……
冗談抜きで耐えられそうにねぇ。
「いつになったら、師匠をやめるんだよ……」
確かに、俺から言ったことだ。
どんなに辛いことでも耐えて見せると。
だが、それとこれとはまるで違う。
任務と対人関係。
それは、別に取ってほしかった。
まぁ、伝わらないんだろうが……

「ん……サーティーン？」
熱を測ると、もう冷めていた。
甘い夢は、溶けた。
俺は、渋々と自室に戻った。