Orange Lily___ 3

＊ ページ33

《ar side》

知念が、
見知らぬ男に抱きつかれたと思えば

あっという間に
知念の周りを囲われ


俺らが
近づけない状況になってしまった。


　


　


伊「知念を返せ！」




　
　
　



『嫌だよぉ。

こんなに可愛い子、会ったことない。
さ、連れて帰ろ♪』


　

　




体格がよくて、

少し不潔で、

怖くて、

気持ち悪い男達に引きずられて、

闇の中に吸い込まれる知念。



　
　
　



知「っいやだぁっ！

離して！
離してってばぁ！！」

　
　

　


　


声を震わせながら、泣き叫ぶ知念。

こんなに、
乱れた知念を見るのは初めてで

今の状況が、
かなりやばいということを理解する。



　

　



どうしよう……！






　

　

『うわぁ〜こんなに泣いちゃって。

でも
泣いた顔も、かわいいなぁ。』





　
　

　


知念を抱きかかえている奴が、

そう言いながら
知念の頬を伝う涙を舐めた。



　

　



知念は、
もう恐怖で震えが止まらなくなっている。




　


　




このやろう……





　


　


俺やいのちゃんが、
あの男達の中に飛び込んだって
なんも勝算は無い。

　





でも、知念を助けたい。





　


　

その一心で、


俺は走り出そうと
足に力を入れたとき。







　

　



山田が、
俺らの横を瞬時に通り抜け

知念を抱きかかえている奴を
蹴り飛ばしていた。

作者です*→←＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す