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アルコールと夜ご飯をお腹にしまうと、腹八分ぐらいに収まる。
時間も時間だったのでお会計しようとすると、影山くんがスマートに支払ってくれた。
「ちょっ、さすがに年下に払わされへんっ!!!!」
「男なんで払います。その代わりもうちょっと付き合ってください」
頑なに払わせてくれない影山くんに折れてしまう私。
情けないとはこのことか。
「まだ食い足りないんでどっか行きましょう」
「え、やったら出んでもよかったのに……」
「Aさんお腹いっぱいそうだったので。着いてきてくれるだけでいいんでお願いしゃす」
「それは全然ええけど……。あ、家来る?昨日のご飯の残りあるねん。それでいいなら食べる?」
「いいんスか!?あざすっ!!!!」
ちなみにカレーだと伝えると更に喜ぶ影山くん。
聞くと、好きな食べ物がポークカレーの温玉のせらしい。
タクシーを適当に拾ってとあるマンションへ。
そして我が家があるマンションに到着し、エレベーターに乗り込む。やがて、家の前に。
鍵を開けて影山くんを迎え入れようとした時、私は気付いてしまった。
「ま、待って!!やっぱりあかんっ!!」
「なんでですか?」
「だって、……影山くん一応未成年やん。未成年に手ぇ出したとかシャレにならん……」
「出されるつもりないです」
「あ、ハイ」
本当にこの子は濁りない瞳ではっきり言ってくる。
変に意識した私が馬鹿馬鹿しい上に恥ずかしいではないか。
カレーを温めながら、自分の醜態に腹を立てる。
ご飯をよそい、カレーかけて、その上から卵を乗せる。ポークカレーではないが、カレーの温玉のせの完成である。
「影山くん、どーぞ」
「……!あざす、いただきます!!」
美味しい美味しいとカレーを口に運ぶ影山くんが、何だか弟の治に見えた。今度、彼にも連絡しよう。
それで侑と治を呼んで、兄弟水入らずどこかにご飯を食べに行こう。近況報告をして、大好きな弟たちに癒されよう。
「なんスか?」
「あぁ、ごめん。なんや治くんに見えてな。今度侑くんと治くん誘ってどっかご飯食べに行こ〜って考えてた」
「……Aさんから見た俺って、弟みたいな感じなんすか?」
「ん?まぁ、歳下やし……うわっ」
押し倒された。
弟たちよりも歳下の影山くんに。
私の頭はそれだけでキャパオーバーだ。
「手、出されるつもりないです。でも、出すつもりはあります」
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宮瀬(プロフ) - 非常にすきです (3月14日 7時) (レス) @page41 id: 1103f6dc65 (このIDを非表示/違反報告)
aikarino(プロフ) - すてき (9月20日 0時) (レス) @page41 id: 6a0c38d02f (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 素敵な姉弟愛の物語で、とても感動しました。お姉さんもツインズも、お互いのことが大切なのがひしひしと伝わってきて、泣きそうになりました。色々な愛の形をこの作品で感じられて、胸が温かくなりました。素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました! (9月17日 23時) (レス) @page42 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
えるるるる(プロフ) - めちゃくちゃ読みやすい…!綺麗なお話だ…すごくすき… (2022年6月23日 20時) (レス) @page42 id: 80c508f955 (このIDを非表示/違反報告)
すー - フィクションなのは分かってるんですけど侑くんの言葉の一つ一つやいろんなシーンに感動して泣いてます…。素敵な作品ありがとうございます…!ホントにずっと涙が止まりません…。深夜にボロボロ泣いてる私って…笑これからも頑張ってください! (2021年7月29日 1時) (レス) id: 4912493c11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:13.m | 作成日時:2020年4月16日 10時