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「おーい、双子たち。もう朝ご飯出来るよ〜?」
姉ちゃんの声はいつ聴いても可愛い。
お陰で目覚めの良い朝を迎えることが出来る。
治が起きるよりも数秒はやく身体を起こし、そのまま洗面台へ直行。顔を軽く洗ってリビングへ。
「あ、侑くんはやいねぇ。おはよう」
「おはよう、姉ちゃん」
そうだ、この笑顔、言葉。
これのために自分は治よりはやくここに来た。
可愛くて、優しくて、成績優秀で、スポーツは人並み以上にできて。
姉ちゃんは本当に非の打ち所がないひとだ。
温厚な性格故に、男女共に、学年問わず支持されている。
弟としては誇らしいことこの上ない。
「侑くん、治くんまだ寝てるん?」
「いや、のそのそ起きとった。多分そのうち来るで」
あのまま起きずに寝ていたら姉ちゃんが再び起こしに来てくれるではないか。つまり、俺に構ってくれる時間が増える。
くそ、失念していた。明日はそうしよう。
俺が考え事をしている時に現れた治はボサボサの髪を放置して、大きな欠伸をしていた。
「治くん、おはよう」
「おはよう、姉ちゃん……。……!いい匂い、いただきます」
朝ご飯があると分かるとすぐ覚醒する治。
それを姉ちゃんは可愛いと言った。ずるい。
「今日も姉ちゃんのご飯は絶品やな」
「治くんうまいこと言うて〜。おにぎり大きくしといたろ」
「姉ちゃんさすがすぎ」
「姉ちゃん俺のも!」
「はいはい。ほら、はよ食べ。朝練間に合わんくなるよ」
急ぎ足で朝ご飯を完食。
ご馳走さまとちゃんと挨拶すると姉ちゃんは微笑んでくれる。
その笑顔に見とれながらも用意をし、治と一緒に出発。
「今日の弁当なんやろ」
「さっき飯食うたばっかやん」
「姉ちゃんの飯美味いからいくらでも食えんねん。それに今日はリクエストしたから期待大や」
「は!?お前また俺の知らんとこで姉ちゃんに甘えよって……!」
「やって甘やかしてくれるもん」
「180超えた男が『もん』とか言うなやきしょい。似合うのは姉ちゃんぐらいや!」
シスコンこじらせすぎやろと言う治も大概シスコンである。
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宮瀬(プロフ) - 非常にすきです (3月14日 7時) (レス) @page41 id: 1103f6dc65 (このIDを非表示/違反報告)
aikarino(プロフ) - すてき (9月20日 0時) (レス) @page41 id: 6a0c38d02f (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 素敵な姉弟愛の物語で、とても感動しました。お姉さんもツインズも、お互いのことが大切なのがひしひしと伝わってきて、泣きそうになりました。色々な愛の形をこの作品で感じられて、胸が温かくなりました。素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました! (9月17日 23時) (レス) @page42 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
えるるるる(プロフ) - めちゃくちゃ読みやすい…!綺麗なお話だ…すごくすき… (2022年6月23日 20時) (レス) @page42 id: 80c508f955 (このIDを非表示/違反報告)
すー - フィクションなのは分かってるんですけど侑くんの言葉の一つ一つやいろんなシーンに感動して泣いてます…。素敵な作品ありがとうございます…!ホントにずっと涙が止まりません…。深夜にボロボロ泣いてる私って…笑これからも頑張ってください! (2021年7月29日 1時) (レス) id: 4912493c11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:13.m | 作成日時:2020年4月16日 10時