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インターハイで2位だった稲荷崎が初戦敗退。
その事実は多くのひとを驚かせていた。
それでも負けは負け。
ただ、負けたとしても彼らは大丈夫だという自信があった。
「北くん、お疲れ様」
「おぉ、Aか。わざわざ兵庫から来てくれたのにすまんな」
「あんな素敵な試合見せてもろたからええんよ。……ありがとうね」
「主将やし、面倒見るんは当たり前や。Aはもう帰るんか？」
「うん。勉強せなあかんし。あとちょっと2人のことよろしくね」
「おん」
勝ち進めば残るつもりだった。
なんてことを伝えれば顔を歪ませていた弟たち。
そんな顔をしなくていいのに。
負けがなんだ。それでも2人はかっこいいのだから。
私の中ではいつだってMVPだ。
荷物をまとめて帰ろうとした時、見覚えのある顔と出会った。
集団で居たが、挨拶もせずに帰るのも無礼だと思い声をかけた。
「あ、Aさん。ちわッス」
「こんにちは。試合お疲れ様、影山くん」
「び、美少女……!!」
「彼女かコラ影山ァ!!!!」
影山くんに噛み付く2人は確か、田中くんと西谷くんだったか。
パンフレットに書いてあったことを頭の隅から持ってくる。
他の部員にも挨拶すると、たどたどしくも返してくれた。
「このひと、宮さんのお姉さんです」
「宮ツインズの……!?まさか、仇をとりに来たとか……??!」
「日向、失礼だろ」
主将の澤村くんに怒られる日向くん。
それから周りも話し出し、騒がしい人やなと笑みが溢れた。
「仇なんてとらんよ。どうせインターハイか次の春高で勝つやろうから。そもそも、君らと戦ってない私がそんなんするとかしょーもないしな。……それに、明日にでもなればあの子らは今日を消化するもん。って、ごめんな。私、ブラコンやからついつい語ってもうたわ」
稲荷崎高校の幕に書いてある「思い出なんかいらん」は本当に彼らを表していると思う。
昨日や今日を守ったって、明日何者かになれるなんて考えていない。
昨日も今日も消化して、明日何かする。
いや、彼らなら明日ですら消化するだろう。
だから、私はほんの少し彼らの背中を押す。
そんなことしなくても進んでいくなんて分かっているけれど。
侑くんも治くんも、前しか見とらんのはよう知ってる。
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宮瀬(プロフ) - 非常にすきです (3月14日 7時) (
レス) @page41 id: 1103f6dc65 (このIDを非表示/違反報告)
aikarino(プロフ) - すてき (9月20日 0時) (レス) @page41 id: 6a0c38d02f (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 素敵な姉弟愛の物語で、とても感動しました。お姉さんもツインズも、お互いのことが大切なのがひしひしと伝わってきて、泣きそうになりました。色々な愛の形をこの作品で感じられて、胸が温かくなりました。素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました！ (9月17日 23時) (レス) @page42 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
えるるるる(プロフ) - めちゃくちゃ読みやすい…！綺麗なお話だ…すごくすき… (2022年6月23日 20時) (レス) @page42 id: 80c508f955 (このIDを非表示/違反報告)
すー - フィクションなのは分かってるんですけど侑くんの言葉の一つ一つやいろんなシーンに感動して泣いてます…。素敵な作品ありがとうございます…！ホントにずっと涙が止まりません…。深夜にボロボロ泣いてる私って…笑これからも頑張ってください！ (2021年7月29日 1時) (レス) id: 4912493c11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：13.m | 作成日時：2020年4月16日 10時
