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その日は何故か、トイレに行きたくて目が覚めた。
階下にあるトイレの向かいにはリビングがある。
そこから漏れているのは明かりと声。
両親と姉だった。
「Aちゃん、ほんまにバイト辞めへんの？」
「辞めへんってずっと言うてるやん」
「ならせめてバイトの日減らさんか？Aと最後に晩ご飯食べたんいつか思い出されへんくらいには、長いことお前
「お金はいくらあっても困らんやろ？パパとママがあの子たちに出してるお金を私が出せば、その分老後の蓄えにできるし。何かあった時のためにもなるやん」
「でもなぁ、あの子たちの部費もバレー用品も遠征費もお小遣いもって。Aちゃんがあの子ら好きなんはよう分かるけど……」
「それでも学費とかはパパとママ持ちやろ？私なりの、せめてもの親孝行なんよ」
頭を強く殴られたような、いきなり自分が死んでしまったような、そんな理解が出来ないことが目の前で繰り広げられていた。
この人たちは一体なにを話しているのだろう。
「Aが身を粉にしてまですることちゃうやろ。A自身のためになることをしぃや」
「……別に、自分のためにお金使ってない訳ちゃうんよ？服やら化粧品やら雑貨やら、欲しい思たもんは
「大学のために置いとくとかでもええやん」
「それも考えとったよ。でもな、大学生なったら嫌でもあの子らと離れなあかん。やから今、まだ離れんくていい今のうちに、あの子たちのために何かしたい。バレーに励む姿を見たいから、どんな形にせよ応援したい。……夢中になれるものがない私にお金掛けるよりさ、有望なあの子らに使った方が絶対価値がある」
無償の愛。大きすぎる愛。
こんなものを俺たちはもらっていたのか。
それを振り払って突き返した俺の罪は如何ほどだろう。
気付けばリビングに居る姉を引っ張って俺たちの部屋に連れて来ていた。
余りの慌ただしさに治も起きた。
「侑くん、急になにを……」
「おいツム、姉ちゃん寝さしたれよ」
「うっさい。……意味分からんねん。なんやねんあんた。……なんで俺にも治にも、そんな愛情注ぐねん。自分よりも俺ら優先出来るねん。身を粉にしてまで何かしてやりたいと思えるんや……!!」
「侑も治も弟やから。それ以外に何の理由がいるねん」
ただただ、凛とした姉は綺麗だった。
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宮瀬(プロフ) - 非常にすきです (3月14日 7時) (
レス) @page41 id: 1103f6dc65 (このIDを非表示/違反報告)
aikarino(プロフ) - すてき (9月20日 0時) (レス) @page41 id: 6a0c38d02f (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 素敵な姉弟愛の物語で、とても感動しました。お姉さんもツインズも、お互いのことが大切なのがひしひしと伝わってきて、泣きそうになりました。色々な愛の形をこの作品で感じられて、胸が温かくなりました。素敵な作品を読ませていただき、ありがとうございました！ (9月17日 23時) (レス) @page42 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
えるるるる(プロフ) - めちゃくちゃ読みやすい…！綺麗なお話だ…すごくすき… (2022年6月23日 20時) (レス) @page42 id: 80c508f955 (このIDを非表示/違反報告)
すー - フィクションなのは分かってるんですけど侑くんの言葉の一つ一つやいろんなシーンに感動して泣いてます…。素敵な作品ありがとうございます…！ホントにずっと涙が止まりません…。深夜にボロボロ泣いてる私って…笑これからも頑張ってください！ (2021年7月29日 1時) (レス) id: 4912493c11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：13.m | 作成日時：2020年4月16日 10時
