元青道野球部マネのバイト先は青心寮でした2

日常 ページ10

何回目かのテスト期間のお勉強タイム
金丸くん持参のハリセンを受け取って、手元に置いておく。


金「こいつ、授業中まだ寝てるんすよ」


沢「おい！金丸！」


「だろうね、ノートみりゃ分かる」


沢「さーせん！」


「絶対寝るなって言ってるわけじゃないのよ。眠たくなる気持ちも分かるし、うとうとするのも分かるし、仕方ないよ。でも、ちょっと度が過ぎてるよね」


沢「どうしたら眠くなっても起きてられますか」


「そうだねぇ。例えばメンソレータム入りのリップを目の下に塗るとか、つねるとか？やったことある？」


沢「つねっても目覚めなかったです」


「えー、あったかな。あったあった。塗ってみる？」


メンソレータムのリップを前に頷く沢村くん


蓋を開けて、ティッシュで1番上を拭いて指につけ、目の下に塗る


沢「ぐはぁ。くぅーー」


「どう？」


沢「スースー半端ないっす。てか、涙で前が見えないっす」


「だろうね。あとは、、」


手元に転がっているシャーペンを手に取り持ち上げる


「絶対動いちゃダメだよ」


軽く持ち上げて、指の横に突き刺す


沢「ヒイィィィ！！！」


「度胸試し好きでしょ？」


心臓に手を当てて目を見開いている沢村くんに笑いかける


金「やべぇ」


「ピッチャーなんだから、指怪我しないようにね」


沢「言ってる事とやってる事が伴ってないっす」


「目、覚めるでしょ？」


沢「こんな覚め方嫌です」


「わがままだねぇ。じゃあ、もう改善が見られなければ、ここに参加せず自主学習ね」


沢「そんな殺生な！俺もここでしたいっす！」


「沢村くん。権利を主張する前に義務を果たそうね。野球もそうでしょ？練習しなきゃ、やることやらなきゃ試合出してもらえないでしょ？サボればサボるほど、周りから置いていかれるでしょ？」


金「正論パンチ」


どんどん小さくなっていく沢村くん


「ごめん。説教ババアになっちゃった。まぁ、そういう事よ。眠たい時は眠たいけど、多少は気持ちでどうにかなるかもしれないから、頑張って」


沢「うす」


倉持に呼ばれて戻ると、船をこいでいる沢村。


金丸の横に置かれているハリセンをとって叩く


「でていけー！」


沢「すみません！！！！！」

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