検索窓
今日:14 hit、昨日:14 hit、合計:7,664 hit

日常 ページ6

(監督)

「だよねー、そんな音してたもんなぁ」


更衣室で着替えながら、アプリで雨雲レーダーをみる。
いま、この地点は赤色が通り過ぎている。要は豪雨だ。


朝はそんな天気予報してなかったし、もちろん傘なんて持ち合わせていない。さて、どうするか。
室内練習場に寄れば誰かはいるだろうが、誰かに借りて帰るのも、自主練中に話しかける事になり、申し訳ない。


とりあえず、扉を開けてみる。はい、無理。ここは滝か?あたりを見まわすも、もちろん誰も居ない。もう、心を決めるしか無いか。深呼吸をして

「よし、よーいドン」


足を踏み出そうとした時、雨が止む。いや、正確に言えば、わたしの所だけ。


「それは無理だろう」


「監督」


「名前を呼んだが、雨の音で聞こえてないみたいだったからな」


相変わらず、傘に当たる雨の音で聞こえづらいが、なんとか聞き取れる


「すみません。全く聞こえませんでした」


「だろうな。傘もないんだろう。俺も今から帰る所だから送る」


「え、いいんですか?」


「あぁ」


「ありがとうございます!」


監督に傘を借りて、監督の後ろを歩き車に向かう。室内練習場の前を通ると、沢村くんと春一くんと丁度鉢合う。


沢「え!?!?」


「やだ、バレちゃった」


沢「ええーーー!お2人は、そんな関係なんですか」


「んふふふ。それはどうで「違う。雨がひどいから送るだけだ」


「ちょっと、監督!もうちょっと遊ばせてください」


沢「なんだ、ビビった」


「監督は私の事、そんな色眼鏡で見てませーん」


沢「確かにそうですね」


「おい!謝れ、、車の中で沢村くんのアレコレ、口が滑って言っちゃいそうだなー」


沢「ああ!絶対言っちゃダメ!」


「さ、監督。すみません、お待たせしました。帰りましょう。


監督の背中を押して歩き出す


沢「言っちゃだめだーーーー!」


背後に響く叫び声に手を振る。


監督の車に乗り込むとタオルを渡される。礼を言いながら、濡れた車の内側を拭く。そして、タオルも車もいい匂い。


「車はいいから、先に自分を拭け」


「いや、高級車なのでつい」


「沢村と仲いいんだな」


「まぁ、割と話すようになりましたね。あらやだ、ジェラってます?」


「あぁ。もう卒業したから、禁忌ではないだろ」


「監督!?」


「冗談だ」


「えぇ、さっきはすぐ否定したくせに」


「あれは、ほら。面倒くさくなるのが目に見えるだろう」


「国語教師のくせに、どストレート」

••••→←••••



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
116人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

うたプリ大好き?(プロフ) - 続き楽しみにしています! (4月13日 16時) (レス) id: e83d5f7d48 (このIDを非表示/違反報告)
にとりる(プロフ) - うたプリ大好きさん。ありがとうございます!私生活とネタの思いつき具合でペースが変わってしまいすみません🙇‍♀️期間が開くこともあると思いますが、ぼちぼち更新していきます💦 (4月13日 16時) (レス) id: 3537585e1a (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (4月1日 1時) (レス) @page36 id: e83d5f7d48 (このIDを非表示/違反報告)
にとりる(プロフ) - 。さん、今気づきました!嬉しいコメントありがとうございます🫶がんばります! (1月25日 10時) (レス) id: 3537585e1a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とても好みの作品で読んでて面白かったです!更新頑張って下さい☺️ (12月17日 23時) (レス) @page23 id: 3bfa0dd272 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:にとりる | 作成日時:2023年10月1日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。