元青道野球部マネのバイト先は青心寮でした2

彼と彼女と未来 ページ32

(御幸)

私が卒業する時に、一也が告白してくれて
付き合う事になった


それから2年、野球ばかりの彼なのは重々承知だから
遊べなくたって、大切にされているのがわかるから
なんとも思わない

そして、努力の甲斐があって
一也も卒業してプロ野球選手になった


私が大学4年の秋
私を含めサークルの皆んなが就職先が無事決まり
お祝いをかねて居酒屋で祝賀会をする事になった


一也はプロ2年目で、一軍の正キャッチャーとして
試合に出る日々が続いている


プロにもなれば、球場を転々とするため
なかなか会えずに過ごしている


それに一也にとって、今とても大切な時期だから
一也が私の彼氏だと周知されるのも怖い
なんたって、SNSで一瞬で拡散される時代だ


そのため、サークルのメンバーにも彼氏が居る事は
伝えているが遠距離であり、なかなか会えない事や
写メの要求には、のらりくらりと流している



飲み会の日
一也が移動日で時間が取れるからとウチに泊まるなった
ただ、もともと入っている飲み会を
欠席する訳にもいかない


遠距離と伝えているため、急遽、彼氏が帰ってくるように
なった事を伝え、一次会が終わり次第抜けさせてもらう
事にした


あぁ、早く一也に会いたいなと思うが
みんな就活の呪縛から解放され盛り上がっているし
現に私も楽しんでいる


ふとスマホをみると、最寄駅に着いたと一也から連絡が
入っていた。そう、彼もやっとスマホを持ってくれた。店から少し離れたところで合流する予定のため、お店の場所の位置情報は送ってある


トイレから部屋に戻っていると、幹事の友達が私の荷物を持って待っていた


「久しぶりに会えるんでしょ。うちらはいつでも会えるし、それにもうすくお開きだから先に帰りなよ」


笑顔でカバンを渡してくれた友達にお礼を言って店をでる


店の前で一也に先に帰れる事になったと連絡を入れたら
すぐ既読がついて、近くに居るから店まで来てくれるとの事


すると、後ろの扉が開く音が聞こえ、振り返ると同じサークルの男子が出てきた。少し前に告白された彼だ。


「ビックリした。どうしたの？あ、タバコ？」


「いや、Aが帰るって聞いたから」


「あ、うん。ごめんね、先に帰るね。じゃあ」


このままでは、一也と鉢合わせてしまうため、歩き出して電話しようと思い一歩足を出すと、進まない体。腕を掴まれて進まない

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