元青道野球部マネのバイト先は青心寮でした2

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(御幸)

卒業式の日
バイトに出勤してきたAさんに会いに行く


俺を見つけたAさんが、卒業おめでとう！と笑顔で駆け寄ってくる。


「これから、どんだけ有名になって、金稼いで、人気になって、生意気になっても、、、」


スムーズに出てた言葉が1回止まる


「いや、生意気は今もか」


真顔で言い直されると、笑ってしまう


「御幸は、私の後輩だからね。私がいくら凡人のままでも、私が先輩だからね」


少しムキになりながら話すAさん


「分かってますよ」


「なら、よし。卒業おめでとう」


「ありがとうございます」



今日しかないと、今日言おうと決めていた言葉
長年想ってきた気持ち




「その後輩ってやつ」


「ん？なに？」


首をかしげるAさん


「彼氏にしてもらえませんか？」


「え？」


「聞こえませんでした？彼氏です。好きです、Aさんが」



俺の言葉にひゅっと息を飲みこむ


赤くなった顔を手で隠して、指の間からこちらを見ている
耳まで真っ赤なAさん


「なんですか、その初めて聞いたみたいな反応。ちょくちょく言ってたでしょ」


「そうだけど。これから、色々環境変わって、綺麗なアナウンサーさんとか、アイドルとかと会うんだよ、きっと」


「まぁ、そんな事もあるかもしれないですね」


「私と付き合ってたら、失敗したぁ！て思うよきっと」


「思いませんって。どんだけ片想いしてきたと想ってるんですか」


Aさんは少し黙ったあと、顔を覆っていた手を下ろして、下を見る


「、、、、、、ない」



「え？なんて言いました？」



Aさんに少し屈むように近づく
それに合わせるようにAさんも顔をあげる


「、、、、片想いじゃないです」



「、、、、好きですか？俺の事」


「意地悪」


「ずっと聞きたかったんです、その言葉が」


「すきだよ、御幸の事」


「、、、俺もです」



一歩近づき、そっとAさんを抱き寄せる
背中に静かに回される手に心が満たされる

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