元青道野球部マネのバイト先は青心寮でした2

過去 ページ13

(亮介)


土曜の練習試合終わり、自主練をして休憩がてら食堂へ向かう
　

他の部員も自主練をしたり、筋トレをしたり、各守備陣でミーティングしたりと各々過ごしている


中に入ると、誰かが机にうつ伏せている
誰も居ないと思っていたため、予想外の人の気配に、ひとり身体をびくつかせる


「Aさんか、めずらし」


音を立てない様に静かに近づく。眠るAさんの手元には、下書きのスコアシートと、清書のスコアシート


状況をみるに、清書途中に寝落ちしてしまったようだ。


さっき羽織ったばかりの上着を脱ぎ、臭くない事を確認してAさんの背中にそっとかける


静かにたてる寝息と、閉じたまぶたに、つい見惚れてしまう。普段は、こんな無防備な姿なんて見せないから


同じクラスだったら、授業中にうとうとしたり、あくびしたりする姿を見ることが出来たのだろうか


あぁ、あと1年早く生まれていたらなんて思ってしまう


起きてない事を確認して、そっと食堂をあとにした




室内練習場で自主練を続けていると

「亮介！」


ドアの入り口から手招きでよばれる


「ごめん、これ。ありがとう」


「いや、全然。大丈夫ですか？」


「うん、大丈夫。寝てたことは内緒に」


「いつものAさん見てたら、少しくらい寝てても文句言わないでしょ。それに、部活自体は終わってますし」


「んー、いや、まぁでも。やっぱ、マネが寝るのはね、、だから、内緒で」


「分かりました」


「じゃあ、また明日ね」


「はい、気をつけて」


「ありがとう」



手を振って帰っていくAさんに頭を下げて手を振りかえし見送った

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