•••• ページ44
(倉持)
『倉持、ちょっとお願いがある』
「どうしたんですか?」
部活終わりに片付けをしていると、Aさんに手招きで呼ばれる
『ちょっとさ、明日出さないといけない宿題丸々教室に忘れちゃって。監督に聞いたらまだ職員玄関が開いてる時間だから取りに行っていいって言われたんだけど、一緒に来てくれない?この通り真っ暗だし、怖いし』
「いいっすよ」
『ありがとう!東に声かけたんだけど、断られちゃってさ』
あいつ、絶対怖いんだよ。ぷぷぷと笑うAさんが、子どもじみてて可愛い。
「今から行きます?」
『是非!』
校舎に入り、教室へ向かう。もちろん真っ暗だ。Aさんは、明らかにビビっており、キョロキョロしている。
「怖いんなら、服掴んでていいですよ?なんなら、手繋いでも」
冗談で言った言葉にAさんは、『腕つかんでもいい?』と手を伸ばしてくる。
『少しでも立体的な物を掴んでおきたい』
後で少しビビらせてみようかと思ったけど、この表情は辞めておいた方が良さそうだ。
「なんで俺に声かけたんですか?」
『元やんでしょ?怖いものなんてないでしょ?』
「まぁ怖くないですけど、元ヤン関係あります?」
『あるよー!やっぱり肝の座り方が違うよ。普段見ててもそう思うもん』
「まって、それ貶してます?」
『褒めてるって。今の私には倉持しか居ないからね』
この人、無意識な人たらしだな。
俺の腕を強く握りながら俺にピタッと引っ付きビクビクしながら歩いている。ぶっちゃけ歩きづらい。
教室まで辿り着くと、俺の腕から離れて自分の席へと向かい教科書とノートを持って戻ってくる。そして、当たり前のように俺の腕を掴む。が、教科書達が邪魔しているようだ。
「持ちましょうか?俺の片手空いてるし」
『ありがとう!』
玄関まで歩いていると、通りすぎたトイレからバタンと音がした。掴まれている腕がビクンと跳ねる。
振り返るが何もない。
「覗いてみます?」
『絶対いやだ!』
断固拒否な姿に笑いが出る。
無事外に出ると、Aさんが腕から離れていく。
『着いてきてくれてありがとう。あー、なんか肩凝った』
「力入れすぎなんですよ。楽しかったっすね」
『何も楽しくないよ!変な音するし!私もう、あのトイレ使えない』
「えー、俺なんならもう1回見に行きたい』
『ワンパクが過ぎるわ!』
79人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にとりる(プロフ) - もっちー様 苗字の件ありがとうございます!調整させていただきました💡とても嬉しいお言葉ありがとうございます!!励みになります🙌 (9月19日 7時) (レス) id: 3537585e1a (このIDを非表示/違反報告)
もっちー(プロフ) - 初めまして!ダイヤのAのお話が全然ないのでにとりる様の作品を読んでて嬉しい気持ちで溢れましたありがとうございます!あと氏名が出る所で名前で出ているのでもしかしたら苗字?の設定が上手くいってないかも知れないです。更新待ってます!好きです!! (9月19日 0時) (レス) @page38 id: 28f73aa9c2 (このIDを非表示/違反報告)
にとりる(プロフ) - 跡部王国の住民さま。ありがとうございます!とっても励みになります💡 (9月17日 8時) (レス) id: 3537585e1a (このIDを非表示/違反報告)
にとりる(プロフ) - 絵猫蒼さま。本当ですね!すみません、いつの間に、、教えていただきありがとうございました💦 (9月17日 8時) (レス) id: 3537585e1a (このIDを非表示/違反報告)
絵猫蒼(プロフ) - 失礼します、オ.リジナルフラグ立ってしまってますよ〜っ💦 (9月17日 8時) (レス) id: 546b1f5c91 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にとりる | 作成日時:2023年8月17日 21時