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(真田)
雨が降ってる日のバイト終わり。自転車はこげず、歩いてバイトに行ったため外も暗い帰り道。なんとなく怖くて俊平にLINEをしてみたら、すぐ既読になったため電話する。
「もしもーし。帰り?」
「うん、そう。今日雨だから歩きなの。出るかなーと思って電話した」
「そっかそっか。お疲れ。でも、まじで気をつけてな。本当はこんな夜にひとりで外を歩かせたくない」
「ありがとう、気をつけるね。家?」
「うん。部屋で宿題してた」
「おぉ、えらい。ってごめん邪魔した?」
「全然、ちょうど集中キレてた。そうそう今度練習試合あるんだけど用事なければ見にきてさ、その後少し会えない?」
スマホの向こう側から聞こえる、俊平の声が心地いい。
「この間、見に行ったよ」
そう、密かにギャラリーに混ざって見て、写メ撮って帰って俊平に送っている。バレないようにするのが、意外と楽しかったりする。
「いやだからさ、前も言ったけど、そちらは見えてるかもしれないけど、こちらは見えてないからね。しかも、いつ来るとかも言ってくれないし」
「だってほら、嫌じゃない?彼女とかみられるの」
「なんで?」
「調子乗ってんなみたいな」
「そんなのプレーで黙らせるし」
「ほらそちらの監督さんにも会ったことないし、怒られない?」
「監督のようで監督らしくないから大丈夫」
それ、監督としていいのか?
「てかすげぇスラスラと言い訳出てくんね。そんなに会いたくない?」
「ううん、会いたい」
「、、、いまのもう一回」
「やだ」
「けち」
ーーーーーーー
練習試合当日。
ギャラリーに混ざって練習試合をみる。あのカハハとよく笑うヤバそうな子は沢村くんと同じ匂いがする。そして監督は優雅にあくびをしている。急成長して出てきたチームにしては、謎がいっぱいだ。
練習試合が終わり、ここに居るのも目立つため校門へと向かう。校門近くでぼーっとしていると電話が鳴る。
「帰ったかと思ってビビった。こっち来て」
手を繋がれ歩いた先は人気のない校舎の隅
「やっと会えた。いい?」
俊平は私に向けて両手を広げる。その腕の中に入ると強く抱きしめられる。私も俊平の背中に手を回すと耳元に感じる俊平の髪と呼吸。
「今更だけど臭いよな、ごめん」
「ううん。気にならない」
「ちょ、深呼吸すんなって」
「ふふふふ」
「あーすき」
「んっ。くすぐったい」
「その声、なけなしの理性飛んでくからやめて」
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にとりる(プロフ) - もっちー様 苗字の件ありがとうございます!調整させていただきました💡とても嬉しいお言葉ありがとうございます!!励みになります🙌 (9月19日 7時) (レス) id: 3537585e1a (このIDを非表示/違反報告)
もっちー(プロフ) - 初めまして!ダイヤのAのお話が全然ないのでにとりる様の作品を読んでて嬉しい気持ちで溢れましたありがとうございます!あと氏名が出る所で名前で出ているのでもしかしたら苗字?の設定が上手くいってないかも知れないです。更新待ってます!好きです!! (9月19日 0時) (レス) @page38 id: 28f73aa9c2 (このIDを非表示/違反報告)
にとりる(プロフ) - 跡部王国の住民さま。ありがとうございます!とっても励みになります💡 (9月17日 8時) (レス) id: 3537585e1a (このIDを非表示/違反報告)
にとりる(プロフ) - 絵猫蒼さま。本当ですね!すみません、いつの間に、、教えていただきありがとうございました💦 (9月17日 8時) (レス) id: 3537585e1a (このIDを非表示/違反報告)
絵猫蒼(プロフ) - 失礼します、オ.リジナルフラグ立ってしまってますよ〜っ💦 (9月17日 8時) (レス) id: 546b1f5c91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にとりる | 作成日時:2023年8月17日 21時