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甲子園予選準決勝敗退
最後のスコアを書く手が震える
敗退後、監督の言葉に同級生が皆涙していた
その選手達の後ろで、私は皆を眺める
あぁ、負けたんだと思った
帰りのバスの中も啜り泣く音が所々から聞こえる
バスから荷物を皆んなで降ろして、3年は解散となる
倉庫に今日持って行ったボールがなおされているため、私はそこに向かう。
ボールを床に転がし、そこに座って雑巾を手に取る。
雲はわき 光あふれて
天たかく 純白の球きょうぞ飛ぶ
若人よ いざ
まなじりは 歓呼にこたえ
いさぎよし ほほえむ希望
ああ 栄冠は 君に輝く
静かに口ずさみながら、ひとつひとつボールを磨いてカゴに入れていく
ボールを拭くたびに、みんなの練習風景や悔し泣き、勝って喜ぶ姿や、くだらない事で笑い合った思い出がどんどん頭の中に流れてくる。
気づけば流れてくる涙
『私が泣いちゃダメだって、もー止まってよ』
気持ちとは裏腹に拭っても拭っても出てくる涙
その時、カタンと入り口で音がした。
ーーーーーーーー
(亮介)
バスで学校に戻ってきて、挨拶が終わると先輩達が散っていく。
もう一緒に練習する事は無いのだと、分かってはいたけれどどうも現実味がなかった。
明日からはもう自分達の代となる
この発散しきれない悔しさから、身体を動かしたくなり倉庫へボールを取りに純と哲と向かう。
倉庫の角を曲がると、3年の先輩が1人入り口近くで立っていた。
何をしているのかと思えば、俺たちに向かって、口の前で人差し指を立てて静かにと合図を出してくる
中からはAさんの微かな声
あぁ、そういう事かと気づく
先輩はAさんの事が好きだと言っているのを聞いた事がある。顔も整っていて厳しいけど優しくてレギュラーも取っている先輩に嫉妬に近い感情を持つ事もあった。
倉庫が静かになったと思ったら、次は啜り泣く声が聞こえる。その声が聞こえると、先輩はジェスチャー付きの口パクで俺たちに「ごめん、帰れる？」と言った。
俺たちが倉庫から背を向け歩き出すとカタンと音が聞こえ、振り返ると倉庫の中へ消えていくせなか。
あぁ、俺たちは泣いてる先輩に声をかける事も、甲子園に連れて行くことも出来ない、ただの後輩なんだという現実を突きつけられた。
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にとりる(プロフ) - もっちー様 苗字の件ありがとうございます！調整させていただきました💡とても嬉しいお言葉ありがとうございます！！励みになります🙌 (9月19日 7時) (
レス) id: 3537585e1a (このIDを非表示/違反報告)
もっちー(プロフ) - 初めまして！ダイヤのAのお話が全然ないのでにとりる様の作品を読んでて嬉しい気持ちで溢れましたありがとうございます！あと氏名が出る所で名前で出ているのでもしかしたら苗字？の設定が上手くいってないかも知れないです。更新待ってます！好きです！！ (9月19日 0時) (レス) @page38 id: 28f73aa9c2 (このIDを非表示/違反報告)
にとりる(プロフ) - 跡部王国の住民さま。ありがとうございます！とっても励みになります💡 (9月17日 8時) (レス) id: 3537585e1a (このIDを非表示/違反報告)
にとりる(プロフ) - 絵猫蒼さま。本当ですね！すみません、いつの間に、、教えていただきありがとうございました💦 (9月17日 8時) (レス) id: 3537585e1a (このIDを非表示/違反報告)
絵猫蒼(プロフ) - 失礼します、オ.リジナルフラグ立ってしまってますよ〜っ💦 (9月17日 8時) (レス) id: 546b1f5c91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にとりる | 作成日時：2023年8月17日 21時
