元青道野球部マネのバイト先は青心寮でした

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御幸


『あの子が、高島先生が連れて来た子？』


グラウンドの端に座って見ていたら、横にAさんがしゃがみ込む


「そうみたいですね」


『へぇ、キョロキョロオロオロ。可愛いねえ』


「まぁ、中学生って感じですよね」


『いやいや、御幸の１個下よ。そう見れば、なんだろ。御幸ってやっぱ生意気感あるよね』


「まぁ、大きい声では言えないですけど、自覚はあります」


″なんやその腑抜けた球は！″


Aさんと話していたら東さんの怒号


『あーはじまった。最近、あいつ調子乗ってるよね』


3年唯一のドラフト候補になり、確かに最近天狗気味なのは気になっていた。


“あんな体でプロ行くって？！まじありえねぇ″


『そうだそうだー！』


“見てみろよあのハラ！オッサンじゃねーか！″


『そうだそうだー！』


俺の隣で楽しそうに東さんをさらに煽るAさんの横顔が普通に可愛い


″A！お前聞こえてんぞ！″


『怒られちゃった』


心底楽しそうに、煽るように笑っているAさん。俺も人の事言えないけど、いい性格をしている。


『まだ生きている』


「え、いきなりどうしたんですか」


『あの男の子の服だよ。それとも、B'zのファン？』


「いや、知りませんけど。それに、今そんな雰囲気じゃないですよ」


『どーこにも行かせない 愛しい人よー』


隣で楽しそうに歌い始めるAさんは、本当に空気を読まない


『あ、あの子投げるんだって。御幸、ほら出番だよ』


「え？めちゃくちゃ面白そうだけど、俺が行っていいんですかね？」


『いいっしょ。御幸なら出しゃばんなと言われながら結局できるから』


「それ、どんな感情で言ってます？」


『高島先生ー！御幸がボール受けたいって言ってますよー』


東「コラァ御幸。1年が出しゃばるんじゃねぇ」


『本当、東の返事ってひねりが無いよねぇ』


隣で呟くAさんに笑いが出る。


「けど東さん、最近天狗気味だし、、若者とプレーでもして初心取り戻した方がいいかと思って」


『あははは！御幸最高』


案の定、東さんの怒りの叫び声がグラウンドに響き渡る


『行っておいで御幸。東をねじ伏せるのがきみの任務だ』


「仰せのままに」


ケラケラと笑うAさんとの、こういう時間が続けばいいのにな

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