元青道野球部マネのバイト先は青心寮でした

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結城


土曜のバイトはお昼のため、15時に上がる。


今日は練習試合らしく、外に出ると盛り上がっている声が聞こえた。その声につられるように、グラウンドへ足を向ける。


今まではこのフェンスの向こう側に居るのが当たり前だったのに、今ではフェンスのこちら側に居るのが当たり前になる。


これが大人になるという事なのだろう。


ベンチに座ってグラウンドをみる。今は2軍が試合をしているらしい。

「バイト終わったんですか？」


振り返れば哲が練習着姿で立っている


『うん、終わった。むしろ、バイト中にここに居るのやばくない？』


「、、、そうですね」


『なに、その間。やりかねないなみたいな反応』


「なんでわかったんですか」


『顔が物語ってるよ。素直も時に凶器だね』


「すみません」


『むしろそのままで居て欲しいくらい。一軍は調整？』


「はい」


『２軍も調子よさそうじゃん』


「もうすぐ夏ですから」


『なんか出てる。ぶあっと出てる。哲がキャプテンになって本当に良かったと思うよ』


「そうですか」」


『うん。哲はそのまま、まっすぐ前を向いて走ってほしい』


「、、、はい！」


『なーんてカッコつけてみたけど、しんどい時はしんどいっていうんだよ』


「その時は、話を聞いてくれますか」


『もちろん』


伊「おーい、哲！お前。あ、Aさんお疲れ様です」


『お疲れ、え何。哲なんかしてた所なの？』


「いえ」


伊「堂々と嘘ついてんじゃねぇ！試合状況見に行くじゃなかったのかよ」


「ここで見ている」


伊「屁理屈言うな！」


『はははは』

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