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「そっか、なんかあったら言うてな！よし、次は櫻井教授の授業やで。あー、楽しみやわ！」
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私の腕を掴んで、講義室に連れて行く。章ちゃんは、きっと何かを察したんだ。と、思うと私は、心の中でごめんと謝る。何度も何度も…何故かまだ話せないのと言い訳もつけて謝る。
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「章ちゃん、ごめんね。」
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「Aがすんなり言える時が来たら、その時でええから。僕こそごめん、焦らせてごめん。」
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ついつい出た心の中の謝罪が出てしまった。でも、章ちゃんは大人で、私より何倍も苦しいのに謝って来た。
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「泣かんでや…A。僕もなんか涙出るやん。」
朝のように、また優しく頭を撫でる章ちゃん。私は涙を止めようとしたけど、あの日あの人に助けてもらって全て話した時以来、人前で泣くのは初めてで、どうやって止めたらいいのか忘れてしまった。
あ、あの人が言ってた…本当のことを言ってもいいって、本当の気持ちを涙と一緒に出し切ってもいいって言ってた。
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「…ごめんね。なんかね、まだ話せないみたいなの…。自分でも話せない理由が分からないの。章ちゃんは離れないって言ってくれたけど、もしかしたら離れてしまうかもって脳が思って口が開かないのかもしれないし、ただ怖いだけかもしれない。それか逃げてるのかもしれない。
でも、本当にごめんなさい。章ちゃんの事を大好きで大切な親友なのに、言えなくてごめんなさい。」
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途切れ途切れになってしまったし、途中から嗚咽も出始めてしまったけど、章ちゃんは優しく頭を撫でたまま、抱き締めてくれた。
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「謝んでや…A、ほんまの事、ほんまの理由教えてくれてありがとう。……もーA、廊下で泣き出すから、櫻井教授に変な風に見られたやん。もう今日はサボろ、櫻井教授にはまた話つけとくから、ぱーっとカラオケでも行こ。」
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作者名：みーとぼーる | 作成日時：2016年10月13日 3時
