私の絶対零度な恋【８】 (ページ24)

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今年の春は桜の開花が早くて、帰って来た頃には桜の絨毯状態だった。

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あれから2年と数ヶ月…経った筈。曖昧なのは、生きる為にひたすらだったからだ。いつの間にか2年過ぎていたのかなという気持ちで胸がいっぱいだった。

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「…あれ？御茶ノ水だっけ？え？東京ドームの最寄駅ってどこだっけ？」

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「水道橋だよ。東京駅やから、御茶ノ水で乗り換えやな…あ、もう関西弁出てもうた。えへへ…おかえり、Aちゃん。」

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「東京に着いて一番初めに会うとは思ってなかった(笑)この頃どうなの？仲良くやってる？」

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話しかけてきたのは、誰かさんの趣味に合わせたのか合わせられたのか分からないようなサルエルパンツではなく、ピチッとしたスキニージーンズによく分からない英文のTシャツの上に5分袖のテーラードジャケットに、あまり似合ってないハットを被った丸だった。

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「あぁ…まあ…別れてん。Aちゃんが居らんくなってから、色々あってん…。」

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「…ごめん。」

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丸はええねん、終わった事やからと笑って言うと、突然目の前で停まった車のドアを開けた。

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「実はそのライブ、招待したの僕やねん。来てくれるか半信半疑やってんけど…来てくれてありがとう。まあ積もる話もあるし…な？」

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顎で乗れとされてる事を察して、車に乗り込む。丸は私の隣に座ると車は自然と発車し、運転席のスーツ着た男性に「この子関係者入口から入れるように手配してるよな？」と笑って問い掛けた。スーツの人は、少し震えながらハイと答えた。