私の絶対零度な恋【８】 (ページ23)

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電話を切った後、リビングに行くと誰も居なくて静かだな～なんて思いながら冷蔵庫からミネラルウォーターを出して飲む。

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「ん？なにこれ。」

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机の上に透明なケースに入ったCDと紙が置かれており、紙には『Aへ』と書かれていた。

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すばの新曲かな？と思って、部屋に戻ってプレイヤーに入れてみる。

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『黙って愛してくれる君を離したくない永遠にあの空へいつか行くよ星が待ってる』

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『その時が来るまで一緒にいてほしいありがとう何度でも言うよ』

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『ああもっと抱きしめたいよ僕の胸で君が悲しくなっててもこれしかできないよまもりたい何もかも失くしてでも』

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あぁ思い出した、昔CD出すって言って一番初めに聞かせてくれたやつだ。でも結局出す話は流れて今はレコード会社とあの人しか持ってないはず…あれ？何で私泣いてるんだろう。

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「ずっと絶対零度位好きじゃなかったんだ。」

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こんな私を求めてくれる事が好きだったんだ。突然そう分かるとシャボン玉が破れて夢から覚めて、ようやく地に足が着いたように…

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私は財布と携帯だけ持って家を飛び出した。

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思い出も大学もあの人も大事にしてくれた信ちゃんも少し不器用なすばも大親友の章ちゃんも優しくしてくれた横山さんも正々堂々と向き合ってくれるって言った亮くんも

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全部全部置いたまま、私は消えた。