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「で？彼氏って何なん？」
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一時限目にちゃんと間に合ってから時間は流れ、もう外は夕暮れ。無理矢理連れて来られたカフェには、何故か亮くんが居て、そのまた何故か三人で話す事になった。
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「いやー、あのね？彼氏はいないよ？」
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「なんやねん、このモアイのせいで勘違いしたやんけ！奢れ、奢れ！」
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「モアイってなんやねん！しかもなんで安田を奢らなあかんねん、奢るならAちゃんしか奢らんわ。あほが！」
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喧嘩を始める二人、どんどんヒートアップしていく。止め方…分からない、どうしようと思っていたら、勝手に口が開いた。
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「私のお母さんは、元子役で綺麗な人でね、料理も出来て、優しくて面白い最高のお母さんなの。でも、男運だけは本当に無くて、お父さんは暴力を振るうような最低な人だった。私が中学校に上がった時にやっと離婚して、解放されるって思ったら、次のお父さんがやってきたの。」
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二人は息をしているのか分からないくらい静かに聞いている。私もこの話を何故話しているのか、そしてどう話を終えたらいいのか分からなくて、また続ける。
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「次のお父さんも最低な人でね、私がお父さんと呼ばないからって、父親の威厳を見せてやるとか何とか叫んで、私の目の前でお母さんに襲ったり、言うこと聞かないと知らない町に置いて行くような人だった。お母さんはその人と籍を入れてなかったから、夜逃げ同然で逃げてね、転がり込むついでに次のお父さんが出来た。」
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そこまで話すと、章ちゃんの目には涙が溜まってて今にも泣きそうだった。亮くんは何か言いたそうだったけど、何一つ言わなかった。
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「その人は、お母さんの次に優しくて面白い人だった。初めはそう思ってた…。」
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作者名：みーとぼーる | 作成日時：2016年10月13日 3時
