私の絶対零度な恋【８】 (ページ1)

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「髪、邪魔そう。」

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頬杖をついて、手櫛で髪を何度も梳かしてくれる彼。

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「切るよ、もうすぐ。」

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事を終えた二人は、うっすらと額には汗を浮かべて黄昏ている。黄昏た事はないけど、多分こういう事を黄昏ているというのだと思ってる。

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「まあ、俺はどんなAも好きやけどな。」

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短い時の私を知らないのに、今の長さの私しか知らないのに、彼は、何でも知ったように甘い言葉を使って私の心を突いてくる。

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「なーに、もう一回とか誘おうとしてるの？」

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「正解、なあ…もう一回しよう？」

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拒否権なんてある訳ない。私が断る前に第二ラウンドが開始される。駄目だと心が分かっていても、脳が分かっていても、身体は正直で嫌だとも何も言えなくなる。

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私は、マイナス273.15℃の恋をしている。この温度は、絶対零度と呼ばれ、物質の振動が停止すると言われてる。私は彼の事を物質の振動が停止する程好きらしい。

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ごめん、そこまでは好きじゃないかも(笑)