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こいレミ(続き)あるかもしれない未来の話 ページ42

揃えた膝の上、レミリアの頭を撫でた。いつもふわふわの髪の毛は飛び散った血液が乾いて少しガサガサになっていた。
「言ったじゃない」
なんて呟くも返事はない。ぐったりとした顔に生気は無く、皮膚の下の血管も通ってはいまい。日頃から綺麗だ美しいと思っていた顔立ちは赤の中でこそより映えるということを今日初めて知った。
「私レミリアのことなんだって知ってると思ってた、だって全部覚えてるもの、」
好きなバラの品種とか好みのお茶菓子とか本の趣味とか。
「ーーーううん」
ただ一つだけ。レミリアの命は奪うその刹那に彼女が放った一言をどうしても思い出せずにいるけど。初めて会った瞬間から現在に至るまでレミリアに関する記憶は絵に書けそうなほど鮮明だと言うのに。
「ごめんなさい、私レミリアのことすごく大好きなのに、レミリアが私と一緒になれないのが悲しくて、」
誰に聞かせるでもない独り言。懺悔にも免罪符にもならない独りよがりの言葉を吐き出した。
大好きで愛していたから。
大好きで愛しているから。
ねえ、レミリア私のこと愛してる?
嘘偽りのない純粋な本音が聞きたくて。
貴女の本当を私だけのものにしたくて。
「それで」
殺してしまったの
謝って許されることじゃありません。でも謝ることしかできません。ごめんなさい。大好きで。ごめんなさい。ずっと一緒に生きたかったのに。
この世界をあまり見たことがない貴女に見せたい景色が沢山あって、この世界をあまり知らない貴女に教えたいことが沢山あって。
どれもが中途半端なまま終わらせてしまって。
「でもね、私、不幸だなんて思っていないのよ」
幸せな結末とは言い難いけど、最後の最期まで貴女と要られて、醜いことに安堵している。
不確実な未来に生き永らえるよりも今日ここで貴女を終わらせることができたことに。
望んでいない未来ではあったけど、これでよかったんだ。
「ごめんなさい、ごめん、ごめ、ごめんなさいっ...!」
それでも貴女が明るい未来のことを笑って話してくれたから。それがどんなにお伽話じみていても荒唐無稽でも、貴女が言えば真実になるような気がしていたんだ。そんな未来を夢想してしまっていたんだ。
だから、最悪の終わりじゃ無くて良かっただなんて思えないまま、懺悔の言葉と涙がこぼれ続ける。
(愚かしい子、愛してるよ)

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かんな(プロフ) - リクエストて受け付けてますか?もし、受け付けているのならパチュレミをもっと書いて欲しいです(小声)出来ればでいいので…… (2019年6月1日 21時) (レス) id: d024afc4b4 (このIDを非表示/違反報告)
なめこの味噌汁 - うれしいいい うー☆ (2018年5月24日 19時) (レス) id: 7d1f6fc3cc (このIDを非表示/違反報告)
れみぃ(プロフ) - レミリア受け本当美味しい。紫レミお願いします! (2017年12月25日 11時) (レス) id: 2a70230ab5 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ - さとレミをください(;ω;`*) (2017年10月7日 16時) (レス) id: e9911c7eb2 (このIDを非表示/違反報告)
レミィぬこぬこ - レミリア総受けお願いします! 頑張って下さい!(`・ω・´ ) (2017年2月2日 9時) (レス) id: a46d8eda0b (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2016年2月21日 8時

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