咲レミ ページ34
湖は月の柔らかい光を受け、輝いていた。
逆さに写る紅魔館も、いつもの、おどろおどろしさがすっかり無くなり悪魔の館には見えなかった。
そんな絶景を一番よく見える部屋で、館の主人は窓の外には目もくれずワインをグラスに注いでいた。
鼻唄でも歌い出しそうな陽気さはむしろ不吉だった。
大理石のテーブルと床には数えるのも億劫なほどの空のビンで埋まっていた。
紅魔館にあるものは、全てが一流品なので飲み干したワインだけでいくらになるかなど考えたくもない。
そして、また空き瓶が増えていく。
新しいワインに手を伸ばそうとしたレミリアを誰かがとめた。
「お嬢様、それ以上飲まれてはお体に触りますよ」
紅魔館唯一の人間、十六夜 咲夜だった。アイロン掛けをされたメイド服をきっちり着こなしている。
従者にとめられたレミリアは憮全としている。
「吸血鬼はそんなに柔ではないよ」
言い訳じみた言葉に咲夜は眉を潜めた。
「折角のいいお酒なのですから、もう少し味わわれては如何ですか」
「善処するよ」
さらりと返ってきた言葉は否定の意味を表していて咲夜の額には青筋が浮かんでいる。
「最後の一本にする」
だから、早く渡せと広げられた手にワイン瓶を渡した。
「今回だけですからね」
溜め息と共に吐きだされた台詞にレミリアは苦笑を浮かべた。
何だかんだでこの従者は私に甘いらしい。だが、私のために全てを投げ出す程ではない。
滲んだ涙を隠すようにグラスの中身を飲み干した。
そして近い将来永遠の別れが訪れるのをただ待つことしかできなかった。
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かんな(プロフ) - リクエストて受け付けてますか?もし、受け付けているのならパチュレミをもっと書いて欲しいです(小声)出来ればでいいので…… (2019年6月1日 21時) (レス) id: d024afc4b4 (このIDを非表示/違反報告)
なめこの味噌汁 - うれしいいい うー☆ (2018年5月24日 19時) (レス) id: 7d1f6fc3cc (このIDを非表示/違反報告)
れみぃ(プロフ) - レミリア受け本当美味しい。紫レミお願いします! (2017年12月25日 11時) (レス) id: 2a70230ab5 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ - さとレミをください(;ω;`*) (2017年10月7日 16時) (レス) id: e9911c7eb2 (このIDを非表示/違反報告)
レミィぬこぬこ - レミリア総受けお願いします! 頑張って下さい!(`・ω・´ ) (2017年2月2日 9時) (レス) id: a46d8eda0b (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2016年2月21日 8時