咲レミ ページ29
[ 咲夜さん過去構造注意]
一目惚れは雷の様な電撃が走ると聞いたが、あながちそれは間違っていなかったらしい。
空腹で目が覚めた。ここのところ食事をしていない。村の大人でさえも一日に一度食事を取れればいい方だったのに孤児の私に食べ物が与えられる筈もない。起き上がろうとして、やっと気付いた。ここは何処?
ベッドはスプリングが効いているし、シーツも絹のような肌触りだ。ベッド一つでも持ち主は相当豊かなことが伺えた。思案していた私はガチャリと扉が開いたのに酷く驚いてしまった。
入ってきた少女の容姿の端麗さにも驚いた。空の青のような髪に血のような濃い赤。背中から出ている羽に常人離れしている美しさに納得がつく。
「やっと起きたのね」
門の前で倒れていたのよと形のいい唇が動いた。夢遊病者でない限りカビくさい寝床で寝ていた私が門の前に倒れるなど不可能だろう。早い話が贄なのだろう。身寄りのない私が今まで生きてこられたのもつまりは、そういうことだったのだ。
「起きたなら、ご飯を食べる?それとも風呂が先かしら」
「何で…私は贄なのに」
「私が拾ったんだから貴方の命好きにしていいでしょう?」
当たり前のように言われた今までその当たり前に触れたことが無かったから、歯がムズムズする奇妙な感覚を味わう。
「私はどうすれば…」
「風呂か食事ね」
「そうじゃなくて」
「あぁ、私の従者になればいいのよ」
あっさり言われて面食らってしまう。
「…そんな簡単に」
「簡単よ貴方はどうしたいの?」
きっとあのまま村に居ても命はなかった。というより生きる気力を完全に失っていた。でもこの人は私に手を差し出してくれた。
「…やりたいです。貴方の従者にしてください」
不確かな神より目の前の貴方を信じ、敬愛することを誓います。
そう言って靴の先にキスをする。
ご主人様は上出来よと満足げに笑った。
(まるまると肥え太らせてから、食べると言うことも考えなかったわけではないけど私の命があの吸血鬼の役に立つというのなら、それさえも酷く甘美なことだろうと思ってしまったのだ。)
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かんな(プロフ) - リクエストて受け付けてますか?もし、受け付けているのならパチュレミをもっと書いて欲しいです(小声)出来ればでいいので…… (2019年6月1日 21時) (レス) id: d024afc4b4 (このIDを非表示/違反報告)
なめこの味噌汁 - うれしいいい うー☆ (2018年5月24日 19時) (レス) id: 7d1f6fc3cc (このIDを非表示/違反報告)
れみぃ(プロフ) - レミリア受け本当美味しい。紫レミお願いします! (2017年12月25日 11時) (レス) id: 2a70230ab5 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ - さとレミをください(;ω;`*) (2017年10月7日 16時) (レス) id: e9911c7eb2 (このIDを非表示/違反報告)
レミィぬこぬこ - レミリア総受けお願いします! 頑張って下さい!(`・ω・´ ) (2017年2月2日 9時) (レス) id: a46d8eda0b (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2016年2月21日 8時